政治的ヴィーガニズム:ヴィーガンの動機と目的、政治的関与に関する実証分析

論文概要

 

ヴィーガンのライフスタイルは、より広い意味で政治的行動が個人化され、私的なものになりつつあるという傾向を反映しているとの議論が研究者の間で活発になっている。特にヴィーガニズムは、倫理的な懸念に取り組み、市場の慣行を変えることを目的としており、政治参加の形態としては型破りなものとみなされている。こうした議論はしかし、詳細な実証データに基づいたものではない。

本研究では、スイスのヴィーガン648人を対象とした独自の標準化調査を実施し、以下の点を明らかにする。1.ヴィーガンの大多数には政治的な動機があり、社会全体に変化をもたらすことを目指している、2.ヴィーガンはさまざまな政治活動にきわめて積極的である、3.政治的な動機に基づくヴィーガンは、個人的な懸念を動機とするヴィーガンに比べて、より厳格なヴィーガンのライフスタイルを実践しており、政治的にもより積極的である。

本研究は、現代における政治参加のあり方を理解するうえで寄与するものであり、ここで得られた知見は、ヴィーガン運動に取り組む団体や食品業界にとって有用なものとなるかも知れない。

 

原文タイトル:Political Veganism: An Empirical Analysis of Vegans’ Motives, Aims, and Political Engagement

論文著者:Deborah Kalte

公開日: 2020/06/19 

論文URL:https://orcid.org/0000-0002-7092-4271

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