欧州の食料消費に伴う環境負荷は、カーボンプライシングまたは付加価値税改革のいずれかで削減できる

論文概要

 

食品消費はさまざまな形で環境に大きな外部不経済をもたらすが、これらに対して公共政策は十分に対応できてない。本稿では多地域間産業連関モデルに基づき、欧州連合(EU27)における食料消費に伴って発生する地球規模の環境フットプリントを調査し、これを税制政策によって緩和する可能性について検証する。

食料品に対する各国の需要システムを家計支出のデータから推定し、環境フットプリントと連結して政策の効果を分析した。

現行では食肉製品に対する付加価値税(VAT)は軽減されているが、分析の結果からは、こうした軽減措置を撤廃した場合、EU27か国で世帯当たりの食料消費に伴う温室効果ガス排出量、水消費量、土地利用、生物多様性の損失、窒素・リンのフットプリントを3.5%~5.7%削減できる可能性がある。

一方、全ての食品にCO2換算トン当たり約52ユーロを温室効果ガス排出価格として課す場合では、上記と同等量のガス排出を削減する効果があり、環境面ではより大きな副次的便益が得られる。これら2つの政策で必要となる実質的な福祉コストは世帯当たり平均で年間12~26ユーロとなる。

 

原文タイトル:Environmental impacts from European food consumption can be reduced with carbon pricing or a value-added tax reform

論文著者:Charlotte Plinke, Michael Sureth & Matthias Kalkuhl

公開日: 2026/01/20 

論文URL:https://doi.org/10.1038/s43016-025-01284-y

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