気候変動緩和における少数派の影響力

論文概要

 

大多数の人々は環境問題について考えてはいるものの、気候変動を悪化させる二酸化炭素の大量排出につながる行動を続けている。人々が自発的に、草の根レベルから集団的に変化することを期待できるのだろうか? 

社会変革は、往々にして現状に挑戦する少数派によって引き起こされる。環境分野において少数派に変革を引き起こすことができるのかについて、従来の研究の多くはやや悲観的な見方を示している。環境活動家やヴィーガンをはじめ、少数派の人々はしばしば社会からの制裁に遭い、環境に悪影響を及ぼすような社会規範に多数派がますます固執するという皮肉な結果につながっている。

しかし、最近の知見が示す方向性は、これに比べるとより楽観的なものである。すなわち、環境保護を志す少数派にとって、社会の「転換点」や自発的な変革に向けて道筋を拓くことは可能であるということである。政策立案者が少数派をトップダウンで支援し、「発言権」を与えることにより、こうしたプロセスをさらに加速することができる。

 

原文タイトル:Minority influence in climate change mitigation

論文著者:Jan Willem Bolderdijk, Lise Jans

公開日: 2021/03/12 

論文URL:https://doi.org/10.1016/j.copsyc.2021.02.005

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