牛乳・チーズの代替食品にはどんなタンパク源が好まれるか 欧州4か国における文化間比較

論文概要

 

より持続可能な食習慣への移行を進めるためには、牛乳やチーズを植物由来の代替食品に置き換えることが有効である。こうした食品の消費を増やすうえでは、どのようなタンパク源であれば消費者が最も受け入れやすいかを理解することが重要となる。

フィンランド・ドイツ・イタリア・セルビアで実施したオンライン調査(参加者2036人)から、様々なタンパク源から作られた牛乳・チーズの代替食品に対して、味や健康への影響、環境への配慮などの面で消費者が何を求めているかを検証した。また、牛乳・チーズを代替食品で置き換えることに関して、食品を摂取する状況や、消費者側の特性が及ぼす影響についても調査した。

その結果、アーモンド・ヘーゼルナッツ・カシューナッツなどのナッツ類は、調査を行った全ての国において、最も有望なタンパク源であることがわかった。参加者はまた、チーズよりも牛乳を代替することに前向きであり、特にコーヒーに使う牛乳を代替することを受け入れる傾向にあった。さらに、新しい食品にあまり抵抗感がない人や、健康や環境への影響を重視する人は、代替食品に切り替える傾向がより強かった。

牛乳・チーズの代替食品を扱う生産者とマーケティング担当者は、どのようなタンパク源が消費者に好まれるか、またどのような状況であれば代替食品への切り替えを期待できるかを考慮して販売促進に取り組むことが望まれる。こうした戦略によって牛乳・チーズの代替食品に対する親しみは強まり、新しい食品に対する消費者の受容を促進することができる。

 

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