牛肉生産の将来:持続可能性と肉の品質における動物福祉の重要性 南米の視点から

Future cattle production: Animal welfare as a critical component of sustainability and beef quality, a South American perspective

Marcia Del Campo, Fabio Montossi, Juan Manuel Soares de Lima, Gustavo Brito

2024/09/24

https://doi.org/10.1016/j.meatsci.2024.109672

論文概要

 

動物性タンパク質に対する需要は急速に増加しており、畜産システムと生態系資源に対する圧力は強まりつつある。倫理および環境の面での懸念も世界的に高まっていることから、より持続可能な食料生産システムが必要とされている。科学者らの国際コミュニティでは、食肉生産プロセスに関する誤った情報や、食肉生産が環境・動物福祉・人間の健康に及ぼす悪影響に対して懸念が表明されている。

畜産は気候変動と持続可能性の問題に取り組むうえで必要な対策と関連しており、そのためには科学に基づいた正確な情報を提供し、積極的なコミュニケーション戦略を実施し、肉類のサプライチェーン全体での協力を推進することが不可欠である。動物福祉は持続可能性の基本的な支柱の一つであり、このような検証において重要な役割を担っている。畜産が社会的に許容されるかどうかは、動物福祉に関する問題や、気候変動・環境・生物多様性に関連する問題にかかっている。

動物福祉は、畜産動物・畜産品の市場において重要性を増しており、国際社会における国家の地位に関わるものとなっている。南米大陸のコノスル (南回帰線以南の地域) の生産システムには持続可能性と動物福祉に関して潜在的な優位性があり、いくつかの国では持続可能性と動物福祉は科学や技術移転、イノベーション、公共政策の策定における優先課題とされている。

適切に動物を取り扱い、動物福祉に配慮した慣行を導入することにより、動物個体の性質や人間と動物の関係、全体的な生産性、肉の品質に関して明確なポジティブな効果があることが科学的検証から示されており、同時に事故のリスクを低減することもできる。動物の福祉を重視することは、道徳的な義務であるだけでなく、ビジネスにおける意思決定として、すべての関係者に利益をもたらす可能性がある。

 

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