男性の菜食主義は象徴的な脅威か? 男性性・アイデンティティ・右派イデオロギーに関するシステマティックレビュー

論文概要

 

ヴィーガンやベジタリアンなどの菜食が広がりつつあることはよく報じられているが、その理由には持続可能性やエシカル消費、健康上の利点などへの関心があるとされている。しかし、菜食を採り入れる傾向にはジェンダーによる違いがあり、それに伴う健康や環境への影響に関してもジェンダー間で違いがある。肉食は多くの文化において男性優位を象徴するものと見なされており、ジェンダーに合わせた振舞いや男らしさに関するヘゲモニックな観念を助長している。

さらに、右翼権威主義や保守主義といった社会政治的要因は肉を多く食べることと結びついており、ヴィーガンやベジタリアンなど菜食に対する抵抗感とも関連があるとされている。本稿では、政治的右派のイデオロギー、男性性を構成する要素(男性であるというアイデンティティ)、ヴィーガンの男性に対する態度について、これら3者が互いにどのように関連しているか、最新の知見を検証するためシステマティックレビューを実施した。

レビューの結果、政治的右派にとってヴィーガンの男性はしばしば脅威であり、ヘゲモニックな男らしさ、さらには家父長制社会をも揺るがす存在と見なされていることが明らかとなった。結論では、菜食主義の男性がどのように男性としてのアイデンティティと向き合っているか、集団間の対立とアイデンティティがこうした態度にどのように影響しているかを理解するため、レビューで得られた知見を一貫性のある枠組みに統合する。

菜食主義を選ぶことは、複雑に絡み合った個人のアイデンティティと世界観、集団への帰属意識の関係を改変するプロセスを必要とし、これは男性のアイデンティティに分裂をもたらすが、再調整のプロセスによって解決される。

 

原文タイトル:Veg∗n masculinities as symbolic threats? A systematic review on masculinity, identity and right-wing ideology

論文著者:Robb Norrie, Ana-Maria Bliuc, John M Betts

公開日: 2026/05/18 

論文URL:https://doi.org/10.1016/j.appet.2026.108593

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