種差別主義の発達 動物に関する道徳観の年齢差

The Development of Speciesism: Age-Related Differences in the Moral View of Animals

Luke McGuire, Sally B. Palmer, Nadira S. Faber

2022/04/11

https://doi.org/10.1177/19485506221086

論文概要

 

人間は、一部の動物(犬など)の幸せのために心を砕く一方で、豚などの他の動物への虐待は黙認している。ある動物に対してどのような扱いが道徳的に妥当とされるかは、その動物が 「食物 」であるかどうかによって決まる。このように動物を分類する態度がいつ出現し、動物種による道徳的ヒエラルキー(種差別)がいつ発達するのかは、よくわかっていない。

我々は、子ども(9~11歳)・若年成人(18~21歳)・成人(29~59歳)を対象として、この発達過程を検証した(合計479名)。若年成人や成人と比較すると、子どもでは(a)種差別をあまり示さない、(b)畜産動物はペットではなく食物であると考える傾向は弱い、(c)畜産動物の扱いをより良くすべきと考える、(d)肉や畜産品を食べることは道徳的に受け入れられないと考える、などの特徴が見られた。

これらの結果は、動物の価値に関する道徳観には、年齢が関係する重要な違いがあることを示唆しており、このような違いが社会の中で作り上げられ、生涯にわたって発達するものであることを示している。

 

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