第一印象と新しい食品技術への恐怖感:培養肉に対する消費者の評価における視覚情報の役割を検証する

First impressions and food technology neophobia: Examining the role of visual information for consumer evaluations of cultivated meat

Chad M. Baum, Hans De Steur, Carl-Johan Lagerkvist

2023/08/05

https://doi.org/10.1016/j.foodqual.2023.104957

論文概要

 

  • 培養肉についての情報効果は、文字媒体と画像では有意な差は見られなかった
  • 727人のドイツ人消費者の評価を分位回帰によって検証した
  • 新しい食品技術に対する恐れは、すべての分位で唯一有意な因子であった
  • 分位回帰による推論結果は、線形回帰によるものとは大きく異なっていた

大衆メディアでは、培養肉に関する議論やイメージがますます増えつつあり、そこでは高度に技術的な側面が強調されていることが多い。培養肉に関する研究は増加し、情報提供の重要性にも関わらず、イメージが消費者の態度や評価に与える影響についてはほとんど知られていない。本研究では、ドイツにおける潜在的な消費者727人のサンプルを用いて、被験者間デザインの実験的調査を行った。参加者は、培養肉と期待される利点に関する情報とともに、(a) 画像なし、(b) より身近な形で培養肉を紹介する画像、(c) 実験室に焦点を当てた画像、のいずれかを受け取った。培養肉を試食・消費する意図によって消費者の評価を決める要因がどのように変わるのかについて、ロジスティック分位回帰を用いて調べた。

その結果、新しい食品技術に対する不安や恐れが、消費者の評価への決定要因として重要であることが明らかになった。我々の知見は、人々が培養肉を(単に拒絶する理由だけでなく)受け入れやすくなる理由を明らかにするのに役立つとともに、消費者の受容や行動意図などの分析に線形回帰を用いると誤まった推論を導く可能性があることを示唆する。

 

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