米国における5つの食事パターン:土地利用・水利用・温室効果ガス排出との関連、食料安全保障の未来への影響

Five U.S. Dietary Patterns and Their Relationship to Land Use, Water Use, and Greenhouse Gas Emissions: Implications for Future Food Security

Jennings, R., Henderson, A. D., Phelps, A., Janda, K. M., van den Berg, A. E.

2023/01/01

https://doi.org/10.3390/nu15010215

論文概要

 

米国の農業食品システムは、気候変動やその他の影響を引き起こす要因となっている。環境目標として地球の平均気温上昇を2℃以下に抑えるためには、アメリカ人の食事パターンの転換は不可欠である。本研究の目的は2つある―(1)米国における5つの食事パターン(一般的な米国スタイル・健康的な米国スタイル・地中海スタイル・健康的なベジタリアン・ヴィーガン)について、環境への影響(土地利用・水利用・温室効果ガス排出)を明らかにすること、(2)それぞれの食事パターンにおいて、個々の食品群による具体的な影響を3つの環境指標について明らかにすること。研究では、既存のデータセットを利用して環境指標と食料生産に関連する情報を統合し、そこで得られたデータを一般的な米国の食事および農務省が示す(米国の)食事の内容と連結した。

その結果、雑食系の3種において温室効果ガス排出・土地利用・水利用に最も大きく影響していた。ヴィーガンの食事はすべての指標において最も低かったが、植物性タンパク質に水が必要となるために水利用における効果はほぼ相殺されていた。(肉食を含む)雑食系の食事については、個々の環境指標への影響が最も大きかったのは赤身肉と乳製品であった。農務省は、国民向け食事ガイドラインのなかで健康への影響だけでなく持続可能性も考慮することにより、気候変動の傾向を変えるのに必要な食生活の転換において重要な役割を担うことができる。

 

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