肉が及ぼすアニマルウェルフェア・環境・健康への影響 — 日々のリマインダーは食肉消費を変えるか

Daily reminders about the animal-welfare, environmental and health consequences of meat and their main and moderated effects on meat consumption

Ida Strande Ottersen, Nora C.G. Benningstad, Jonas R. Kunst

2022/05/16

https://doi.org/10.1016/j.clrc.2022.100068

論文概要

 

食肉消費は様々な悪影響をもたらすため、個人の食肉摂取量を減らす方法を見出すことは喫緊の課題である。本研究では、食肉によアニマルウェルフェア、環境や健康への悪影響について、携帯電話のテキストメッセージで毎日注意を促した場合に、人々の食肉消費が減少するかどうかを検証した。さらに、このリマインダーの有効性について、価値観や態度を含む潜在的な抑制因子の関与についても調査した。

その結果、肉の消費量は予想外に、1週間の介入期間を通じて有意に増加した。アニマルウェルフェア・環境・健康のいずれのリマインダーも、この期間中の1日の肉消費を減少させなかった。観察された唯一の抑制効果は、食肉摂取によるアニマルウェルフェアへの影響に関するリマインダーを受信した日に、嫌悪傾向*の強い参加者において赤身肉の摂取量が減少したことである。テキストベースの介入では、人々の食肉消費を変化させる効果は限定的かもしれないが、有効性の有無を立証するためにはさらなる研究が必要である。

* 嫌悪傾向と嫌悪感受性は、特定の誘発因子に関係なく嫌悪反応に関わる2つの因子で、ここでは12項目の簡易検査で測定した尺度を用いている

 

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