消費者は肉について何を読んでいるのか? 英国のオンラインニュースサイトにおけるメディア表現の分析

What do Consumers Read About Meat? An Analysis of Media Representations of the Meat-environment Relationship Found in Popular Online News Sites in the UK

Gilly Mroz, James Painter

2022/10/03

https://doi.org/10.1080/17524032.2022.2072929

論文概要

 

これまでの研究によれば、食肉の生産・消費に関連する環境への悪影響は、主要メディアではほとんど取り上げられないとされている。本研究では、英国で低所得者層(肉を食べる可能性が最も高い層)を含む幅広い層が利用する8つの主要なオンラインニュースサイトから、2019年以降に掲載された記事116件を抽出した。これらに対して内容分析を行い、環境問題について肉食を支持する立場および反対する立場から何が語られているのか、肉の消費・生産がもたらす問題に対してどのような対策や提言がなされているか、人々の感情として多数を占めるのはどのようなものかについて検証した。

その結果、肉の消費・生産への反対に関する叙述が、支持に関する叙述を大きく上回っていることが明らかになった。半数以上の記事は食肉の消費に反対する立場を示しており、賛成する内容はわずか5%であった。10%は工場畜産その他の方法による肉の生産に反対しており、28%は工場畜産には反対するものの、持続可能な方法であれば支持していた。食肉産業を全面的に支持する記事は全く見られなかった。これらの結果は、肉食を控えることを推奨する内容が圧倒的に多く、60%以上の記事で見られたことに反映されている。

本研究の結果は、食肉と環境問題のつながりに関する報道量の増加を明らかにしてメディア研究に寄与するとともに、肉食をめぐるさまざまな論争、および消費者と食肉産業にはそれぞれどのような責任があるかを示している。

 

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