肉の消費を減らすために認知的不協和を活用する

論文概要

 

動物に関心がありながら肉を消費する人々は、認知的不協和を経験しているかもしれない。この論文では、ベジ食品の購入を促進するために認知的不協和を戦略的に利用する方法を探る。

動物や環境に配慮しながらも、肉食を続けている人は多い。 彼らの信念と行動の矛盾は、不安な感情、すなわち認知的不協和を生じさせる。 認知的不協和を避けながら肉を食べ続けるために、人々は戦略的無視のような適応的思考法を用いて、自身の食習慣と対立する情報を積極的に回避する。

肉食者に認知的不協和を意識させることを警戒する[動物]擁護者もいるが、本論文の著者らは、認知的不協和は食生活の変化を促すために戦略的に利用できると主張している。 本論文では、認知的不協和を食品選択の場面で誘発する効果を検証し、それが肉を使わない食事を消費者に選択させるかどうかを調査している。

著者らは、オランダ人の肉食者725人を対象にしたオンライン調査と、レストランでの実地調査の2つの研究を行った。 調査では、参加者に病院か動物園にいる自分を想像してもらった。 その後、一部の参加者にはアニマルウェルフェアが重要だと感じるかどうか、また他の参加者には健康が重要だと感じるかどうかを尋ねた。 著者らは、回答者の肉に関連した認知的不協和、ベジタリアン食への意欲、戦略的無知を含む他のいくつかの要因を測定した。

研究1では、アニマルウェルフェアについて省みるよう求められた参加者は、健康について省みるよう求められた参加者よりも不協和を経験することがわかった。 さらに、認知的不協和を経験した人ほど、ベジタリアン食を選ぶ傾向があった。 頻繁に肉を食べる人でアニマルウェルフェアを気にする人は、肉食を選ぶことを正当化するために戦略的無知を用いる傾向があったが、たまにしか肉を食べない人は、アニマルウェルフェアに関する情報を調べる傾向が強く、その結果、ベジタリアンの選択肢を選ぶことがより多かった。

研究2はオランダの動物園内のレストランで行われた。 研究者たちは、認知的不協和を引き起こすか(「アニマルウェルフェアを重要だと思いますか」)、別の方法でアニマルウェルフェアに言及するか(ベジタリアンバーガーは動物にやさしく、肉を使ったものと同じ値段であることを述べる)、両方のメッセージを含むか、何の宣伝もしないかのいずれかの宣伝ポスターを掲示した。 そして、どのタイプの販促物が表示されたかによって、注文されたベジタリアンバーガーの割合を観察した。

1883個のハンバーガーが販売された29日間で、認知的不協和を誘発する販促物が使われた場合、ベジタリアン・バーガーを注文する割合は、販促物が使われなかった場合、あるいは代替となる[認知的不協和を引き起こさない]アニマルウェルフェアの販促物が使われた場合に比べ、ほぼ倍増した。

この研究は、活動家や政策立案者が、人々にとって重要な価値観について考えるよう促す文脈を提供する必要性を強調している。 しかし、著者らは次のような注意を促している: 認知的不協和を引き起こして肉を含まない食の購入を促す場合、これらの選択肢が従来の肉食品と同じようにアクセスしやすいものであることを確認することが重要である(例えば、コスト面で)。 そうでなければ、この戦略が裏目に出る危険性がある。

食のアドボカシーに携わる人々にとって重要なことは、認知的不協和はキャンペーンにおいて必ずしも避けるべきものではないということである。 戦略的に使用し、適切なターゲットを定めれば、動物擁護家は、人々が自分自身重要だと述べている、動物に優しい価値観に従って生きる手助けをすることができる。

※本記事はこの記事の最下部にある論文のFaunalyticsのリサーチャーによる要約を、同団体の許可を得て翻訳したものです。

 

原文タイトル:“Do you consider animal welfare to be important?” activating cognitive dissonance via value activation can promote vegetarian choices.

論文著者:Bouwman, E. P., Bolderdijk, J. W., Onwezen, M. C., & Taufik, D.

公開日: 2022/01/01 

論文URL:https://faunalytics.org/leveraging-cognitive-dissonance-to-reduce-meat-consumption/

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