肉の消費を減らすための介入策に対する心理的防衛反応

論文概要

 

肉を多く使う食事からプラントベースの食生活に移行することは社会に様々な便益をもたらし、その中でも気候変動の緩和や公衆衛生の向上、さらに動物の苦しみを減らすことは特に重要である。こうした変化を促す取り組みに対して人々は防衛反応を示すことがあるが、このような反応を引き起こす過程や原因を検証した実証的研究は限られている。

本研究の事前登録実験では、英国の人口構成に合わせた肉食の参加者1070名を対象とし、肉の消費を減らすための簡単な介入法についてその効果を検証した(2×2要因の被験者間デザイン)。介入法には二種類あり、その一つは参加者に自らの食肉消費が環境にとって望ましくないことを考えさせる「内省プロンプト」、もう一つは肉の消費を減らすための実践的に提案する「行動計画プロンプト」であった。

行動計画プロンプトの効果は逆方向に作用し、肉の消費を減らす意欲は低下し、心理的抵抗感は強くなった。抵抗感は内省プロンプトでも同様に強まった。追加で行った分析では、反社会的傾向—共感性の低さや自分の行動を道徳的観点から顧みる姿勢の欠如といった特性—は、肉を減らす意欲の乏しさと関連しており、さらにプラントベース食を推進する政策への支持の低さ、抵抗感の強さとも関連していた。

これらの特性によって介入に対する逆効果は強まり、反社会的傾向が強い参加者では肉を減らす意欲がさらに弱まり、政府による対策への支持も低下した。これらの結果は、持続可能な食への転換において、人々の心理的な防衛反応や質的な特性が変化を阻む障壁となっていることを示している。

 

原文タイトル:Defensive reactions to a meat reduction intervention

論文著者:João Graça, Emma Fanter, Christopher J Hopwood, John Hoeks

公開日: 2025/10/17 

論文URL:https://doi.org/10.1016/j.appet.2025.108354

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