肉の消費削減 ドイツ成人の態度と行動、変化への意欲

論文概要

 

背景: ドイツ人の食肉消費量は近年わずかに減少しているものの、依然として推奨される摂取量を上回っている。肉の食べ過ぎは人間の健康と環境の双方に悪影響を及ぼしている。本研究では、ドイツにおいて肉の消費をすでに減らした可能性のある人口集団を特定し、その動機を明らかにするとともに、今後の消費制限への意思を明らかにする。

方法: 2022年の標準化された電話調査による横断データ(ドイツ健康アップデート)から、ドイツに在住する成人3,178名の代表サンプルを抽出して分析した。集団間の差異はカイ二乗検定およびロジスティック回帰モデルを用いて検証し、結果は 95%信頼区間を付して提示した。

結果: 人口の72%は、少なくとも時々は肉を食べないようにしていた。また、人口の約半数は将来的に肉食を減らす意思があるか、既に全く肉を食べていなかった。現在も将来的にも肉食を制限する意思がないのは23%であった。女性および高学歴者では、現在も将来も肉食を控えようとする傾向が強かった。肉をあまり食べていない人は、よく食べる人々に比べ、肉の摂取をさらに減らそうとする傾向が強かった。肉食を控える動機として最も多いのは「健康」であり、次いで「気候・環境保護」と「動物福祉」の順となっていた。肉食を控える動機として気候問題を挙げるのは若年層と女性に多く、65歳以上の高齢者では健康上の利点が重視されていた。

結論: 人口の大部分は、少なくとも時折は肉食を控えているが、ドイツにおける食肉消費量は依然として非常に高い状況にある。気候・環境保護は、食肉消費を削減するうえで既に重要な動機となっており、より健康的なプラントベースの食習慣に向けた移行を促進する可能性がある。

 

原文タイトル:Reducing meat consumption: Results from a German survey on attitudes, behaviour and willingness to change among adults

論文著者:Almut Richter, Julia Wagner, Ramona Moosburger, Gert B M Mensink, Julika Loss

公開日: 2025/08/13 

論文URL:https://doi.org/10.1371/journal.pone.0328346

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