肉を食べないという選択 自らベジタリアンになる子どもにはどのような特徴があるのか?

論文概要

 

例えば、見知らぬ人に腎臓を提供するといった行為は極端に利他的な行為である。こうした行動をとる人々に関する研究は近年増えつつあるが、その大半は成人を対象としたもので、このように極端な利他主義がどのように発達するかについてはほとんど知られていない。

子どもの場合、知らない人に臓器を提供したり、収入の大部分を慈善団体に寄付したりすることはできないものの、動物を食べないという選択は可能である。肉食の家庭で育ちながらも自らベジタリアンとなる子ども(自己選択によるベジタリアン)では、極端に利他的な動機が働いている可能性があり、本研究ではこうした事例について検証する。

米国の成人(研究1)および青少年(研究2)を対象とした後ろ向き調査を実施し、自ら選択してベジタリアンになった子どもと家庭環境のためベジタリアンになった人やベジタリアンでない人を比較した。共感と思いやり・嫌悪感を催す刺激に対する感受性・認知的熟慮性・恐怖の表情への反応・社会的支配志向性・種差別主義に関する指標を用いて検証した。

その結果、自己選択によるベジタリアン、家庭環境によるベジタリアンのいずれにおいても、種差別主義と社会的支配志向性のスコアは低く、嫌悪刺激に対する感受性と共感・思いやりのスコアが高いことが明らかになった。非ベジタリアンとのこうした違いは、ほとんどの場合、成人のベジタリアンにおける後ろ向き調査でのみ見られた。重要な点として、自己選択と家庭環境の間でスコアには違いが見られず、これは我々の予想とは異なる結果であったが、理由として考えられる可能性について議論する。

自己選択によるベジタリアンに関する先行研究は限られていることから、本研究の結果は新たな知見を提供するものであり、ベジタリアンでは自己選択か家庭環境かを問わず類似の特性が関与していることを示している。

 

原文タイトル:Choosing Not to Eat Meat: What Characterizes Independently Vegetarian Children?

論文著者:Matti Wilks, Alexa Sacchi, Beatrice Turner, Paul Bloom

公開日: 2026/10/06 

論文URL:https://doi.org/10.1111/desc.70292

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