豆類の利用で進める持続可能性への移行

論文概要

 

豆類は優れたタンパク源であり、古くから人類の食生活で利用されてきた。豆類の摂取は、健康上の利点として心血管疾患や2型糖尿病、一部のがんをはじめとする疾患リスクの低下との関連があるほか、豆類に豊富に含まれる食物繊維には消化器系の健康を促進する効果もある。健康面でのこうした効果に加え、豆類の最も重要な利点の一つは、栽培による環境負荷が低いことである。

豆類は多様な気候や土壌条件の下で栽培可能であり、他の作物に比べて水や肥料の必要量が少ないことから、農家にとって持続可能性の高い選択肢となる。また、栄養学的・物理化学的に優れた特性があるため、豆類は広く食品産業で利用されており、プラントベース食の普及と代替肉製品への需要増大に伴って、豆類を原料とした代替肉製品を開発する動きが広がっている。

タンパク源としての豆類の利用が広がることで農家や食品産業にとって新たな市場が創出される可能性があり、同時に医療コストの低減による潜在的な経済効果も期待できる。豆類を持続可能なタンパク源として広く普及させるためには、個人・政府・民間セクターの協調による取り組みが必要である。

この総説では、健康と持続可能性の観点から豆類の摂取がもたらす様々な利点について述べるとともに、豆類を日々の食生活でさらに採り入れ、動物性食品に代わるプラントベース代替食品や機能性食材として利用することの重要性について解説する。

 

原文タイトル:Legumes: A Vehicle for Transition to Sustainability

論文著者:Amalia E Yanni, Sofia Iakovidi, Eleni Vasilikopoulou, Vaios T Karathanos

公開日: 2023/12/27 

論文URL:https://doi.org/10.3390/nu16010098

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