赤肉を減らし、食物繊維・微量栄養素を増やした大腸がん予防食 ルーマニア成人の受容度に関する横断研究

論文概要

 

背景・目的: 大腸がんは世界のがん関連死の主要な原因の一つであり、若年成人における発症率は増えつつある。赤肉・加工肉の摂取量が多く食物繊維の少ない不健康な食生活は主要な危険因子であるが、介入によって改めることは可能であり、大腸がんの予防を目的とした栄養戦略が強く求められている。

方法: 大腸がん予防のために1日分のモデル食を開発した。これは赤肉を使わず食物繊維を豊富に含む食事内容で、全粒穀物・豆類・野菜・果物・ナッツ類・(魚や鶏肉など)低脂肪の代替タンパク質が採り入れられていた。このモデル食に対する受容度を検証するためオンラインアンケートによる横断調査を実施し、18~50歳の健康なルーマニアの成人395名が参加した。

結果: 395名の回答者は内包基準を満たし(18~50歳で、がんや慢性胃腸疾患がない)、このうち63.5%が女性であり、主に都市部居住者(90.1%)かつ高学歴であった。。平均年齢は32.4歳、平均BMI値は25.07 kg/m²であった。提案された大腸がん予防食について、「かなり魅力的」または「非常に魅力的」と評価した参加者は74.9%であった。(朝食から間食・夕食まで)提案されたモデル食はいずれも高く評価され、最も好評だったのは夕食と最初の間食であった。

大多数の参加者はこの食事内容に満足しており(77.2%)、満腹感とエネルギー量は適切であるとし、90.4%の参加者が少なくとも週に数回は採り入れたいとしていた。また、経済面での負担が少ない点については77.2%の参加者が同意していた。しかし、61.8%の参加者は赤肉の摂取を完全にやめるのは難しいとしていた。

この予防食に魅力を感じると回答する割合は、女性の参加者では男性に比べて有意に高かった(p = 0.041)。予防食を採り入れたいという意欲は、予防食そのものに対する受容度と強く相関していたが(p < 0.0001)、BMI値や教育水準とは有意な相関は見られなかった。

結論: 大腸がん予防のために提案されたモデル食は、ルーマニアの成人に広く受け入れられ、特に女性および高学歴層における受容度は良好であった。週に数日以上この食事パターンを採り入れたいという意欲は概して高く、食生活を変えたいと既に考えている層では意欲は特に高かった。一方、主な障壁となっていたのは赤肉の摂取量を減らすことや、コストに関する懸念であった。このため、ジェンダーと文化に合わせた介入策が必要であり、長期的な遵守度や臨床的な効果に関しては今後の研究で検証する必要がある。

 

原文タイトル:Acceptability of a Colorectal Cancer-Preventive Diet Promoting Red Meat Reduction and Increased Fiber and Micronutrient Intake: A Cross-Sectional Study in Romanian Adults

論文著者:Marius-Cătălin Belean, Teodor-Andrei Maghiar, Anca-Maria Căpraru, Andreea-Adriana Neamțu, Dan Iliescu, Valentin-Cristian Iovin, Flaviu-Ionuț Faur, Meda-Ada Bugi, Alina Totorean, Sorina Tăban, Sorin Dema, Cristina-Adriana Dehelean, Bogdan Dan Totolici, Ovidiu Laurian Pop, Octavian Crețu, Carmen Neamțu

公開日: 2025/07/21 

論文URL:https://doi.org/10.3390/nu17142386

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