過体重・肥満症における減量と代謝異常に対するプラントベース食の効果 4種類の食事パターンを比較する無作為化試験

論文概要

 

背景: 肥満および関連する代謝異常は、公衆衛生の大きな問題であり、食習慣の中で実効性があり持続可能な戦略が強く求められている。このランダム化比較試験では、過体重および肥満症の成人を対象として、プラントベースの4種類の食事パターン(ヴィーガン食・ラクトオボベジタリアン食・地中海食・EAT-Lancet食)をWHOの推奨による対照食を比較し、減量および関連する代謝・行動指標における効果を検証した。

方法: 18~64歳の参加者90名を12週間にわたって5つの異なる食事グループに割り付けた。主要アウトカムは体重変化とし、副次的アウトカムとしては体組成・ウエスト周囲径・エネルギー摂取量と主要栄養素の摂取量・空腹時血漿グルコースとインスリン濃度・血圧・血漿脂質プロファイル・食欲の特性*・身体活動量・生活の質(QOL)を用いた。介入を完了したのは合計で85名であった。

結果: 対照食との比較では、いずれのプラントベース食でも体重・ウエスト周囲径・体脂肪・摂取エネルギー量に減少が見られた。体重が最も大きく減少したのは12週後で、ヴィーガン食(-6.7%)およびEAT食(-5.6%)で観察された(p < 0.001)。体脂肪については全てのプラントベース食のグループで有意な減少が認められた(p < 0.01)。空腹時血漿グルコース・インスリン・HOMA-IR・脂質レベル・血圧・食欲特性に関してはグループ間に有意差は見られなかった。重篤な有害事象は観察されなかった。

結論: プラントベース食における動物性食品の含有量は食事パターンによって異なるが、体重と体組成に最も顕著な効果が見られたのはEAT食およびヴィーガン食であった。これらの結果は、十分に計画されたプラントベース食による介入が体重を管理する上で有効な戦略であることを支持している。

* 食行動に関するスケール(Adult Eating Behavior Questionnaire)で空腹感・食物への反応性・情動的過食などの8項目が評価されている

 

原文タイトル:The VEGPREV study: effectiveness of four plant-based diets on weight loss, metabolic syndrome components and appetitive traits in overweight and obese individuals: a randomized controlled trial

論文著者:Klaudia Wiśniewska, Katarzyna Małgorzata Okrȩglicka, Monika Paskudzka, Anna Maja Jagielska, Julia Bober, Michał Oczkowski, Olga Ciepiela, Aneta Nitsch-Osuch

公開日: 2025/11/18 

論文URL:https://doi.org/10.3389/fnut.2025.1677496

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