雑食・ベジタリアン・ヴィーガンにおける栄養有効性とカーボンフットプリント 英国の児童を対象とした食事データの横断研究

論文概要

 

プラントベース食は英国の子どもたちに広がりつつあり、栄養の充足度や環境に及ぼす影響を明らかにすることが極めて重要となっている。本研究ではこの問題に取り組むため、雑食・ベジタリアン・ヴィーガンの食事パターンにおける栄養成分とこれに由来する温室効果ガス排出量を検証した。

横断調査では、2~12歳の英国の子ども39名(雑食 15名・ベジタリアン 11名・ヴィーガン 13名)を対象とし、3日分の摂取量を記録した食事日記からデータを収集した。栄養素の分析にはNutriticsソフトウェアを使用し、サプリメントの摂取状況に合わせて分析した。温室効果ガス排出量は食材ごとに算出し(kgCO₂e/日)、「イートウェル・ガイド」の食品カテゴリーに基づいて分類した。

すべての栄養素に関して基準値を満たす食事パターンは存在しなかった。雑食の子どもでは、飽和脂肪酸と遊離糖の摂取量が基準値を上回っていたが、食物繊維の摂取量は基準値を満たしていなかった。ベジタリアンとヴィーガンの子どもでは、これらの栄養素は推奨される範囲で摂取されていた。ベジタリアンとヴィーガンではタンパク質とビタミンB12の摂取量は十分なレベルにあり、これはサプリメントを使用していない場合でも同様であった。鉄分に関しては、ヴィーガンでは食事のみで必要量が摂取されていたが、雑食とベジタリアンではサプリメントなしでは目標値に達していなかった。

ビタミンDは、サプリメントを使用していない場合、すべてのグループで不足していたが、ヴィーガンの子どもでサプリメントを摂取している場合は基準値を満たしていた。亜鉛に関しては、ベジタリアンの子どもでサプリメントを使用していた場合に必要量を満たしており、ヴィーガンと雑食の子どもでは、サプリメントの服用にかかわらず必要量を満たしていなかった。ヨウ素に関しては、ヴィーガンの子どもでは、サプリメントを服用している場合でも不足していた。

温室効果ガス排出量に関しては、食事パターンによって1日あたりの平均値に有意な差が見られた。排出量が最も大きいのは雑食で、ヴィーガンでは最も少なく、その排出量は、雑食に比べて46%少なく、ベジタリアンに比べて20%少なかった。

適切に計画されたプラントベース食は、栄養強化食品やサプリメントを併用した場合、英国の子どもに必要な栄養素の大部分を満たすことが可能であり、さらに食事由来の温室効果ガス排出量を雑食に比べて大幅に削減することが可能である。動物性タンパク質や乳製品を離れることは、栄養の質と環境の持続可能性をいずれも向上させる可能性がある。

 

原文タイトル:Nutritional availability and carbon footprints of omnivorous, vegetarian and vegan diets: A cross-sectional analysis of dietary data for UK children aged 2-12

論文著者:Alice Coffey, Robert Lillywhite, Oyinlola Oyebode

公開日: 2026/06/18 

論文URL:https://doi.org/10.1371/journal.pone.0342629

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