食事のパターンと認知機能の指標

論文概要

 

重要性: 健康的な食事パターンは概して認知機能の健康に有益であると考えられている。しかし、従来の研究結果は一貫しておらず、様々な食事パターンを同一の条件下で体系的に検証した研究は不足している。

目的: 6種類の健康的な食事パターンについて、主観的および客観的な認知機能との関連性を検証する。

研究デザイン・設定・対象: 前向きコホート研究に用いたデータは、ナース・ヘルス研究(1986-2014年)、ナース・ヘルス研究II(1991-2017年)、医療従事者追跡調査(1986-2012年)から得られた。食生活および認知機能に関するデータが記録されている成人を対象とした。データ分析は 2024年9月から2025年11月に実施した。

曝露因子: 代替健康食 2010(AHEI-2010)、高血圧予防食(DASH)、健康的なプラントベース食(hPDI)、プラネタリーヘルス食(PHDI)、インスリン分泌刺激性および炎症性を抑制した食事パターン(rEDIH および rEDIP)を含む6種類の健康的な食事パターンのスコア。

主要アウトカム指標と評価項目: 主観的認知機能の低下については、認知機能の変化に関する7項目の質問を用いて評価した。客観的な認知機能についてはナース・ヘルス研究の電話調査を通じて測定した。

結果: 合計159,347名の参加者が対象となった(平均年齢44.3・標準偏差9.3歳、女性131,560名[82.6%])。6種類の食事パターンのいずれについても、参加者の遵守度が高いほど、主観的な認知機能が低下する危険度は低下し、こうした傾向が最も強いのは DASH 食であった(遵守度の最上位10%と最下位10%を比較したリスク比[RR]:0.59、95%信頼区間[CI]:0.57-0.62)。これに続いて、傾向の強さは順に hPDI(RR:0.76;95% CI:0.65-0.85)、 rEDIH(RR:0.76;95% CI:0.73-0.80)、PHDI(RR:0.80;95% CI:0.75-0.86)、 AHEI-2010(RR、0.84;95% CI、0.80-0.89)、rEDIP(RR、0.89;95% CI、0.85-0.93)となっていた。

45歳から54歳の時点でDASH 食の遵守度が高いほど、主観的な認知機能は最も保たれていた。DASH 食の遵守度はまた、客観的な認知機能が全般的に高いこととも最も強く関連していた(最上位10%と最下位10%を比較した平均Z値の差:0.05;95% CI、0.02-0.09)。良好な認知機能に関連のある主な食品としては、野菜や魚の摂取量が多いこと、赤身肉と加工肉の摂取量が少ないことであった。

結論と意義: 健康的な食事パターンが主観的な認知機能の低下を抑え、客観的な認知機能を良好に保つことと関連しており、こうした傾向は特に血圧管理のためのDASH食、インスリン分泌や炎症性を抑制する食事パターンで見られた。これらの結果は、認知機能の健康を長期的に維持するうえで健康的な食生活が重要であることを強く示している。

 

原文タイトル:Dietary Patterns and Indicators of Cognitive Function

論文著者:Hui Chen, Marianna Cortese, Mario H Flores-Torres, Anne-Julie Tessier, Dong D Wang, Jae H Kang, A Heather Eliassen, Meir Stampfer, Alberto Ascherio, Walter Willett, Changzheng Yuan, Kjetil Bjornevik

公開日: 2026/04/01 

論文URL:https://doi.org/10.1001/jamaneurol.2026.0062

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