食料システムの変革は、地球温暖化を1.5℃に抑えるとともに、健康・環境・社会的包摂を促進する

論文概要

 

世界の食料システムを改善するためには、個別の対策がシステムの変革にどのように寄与するかを詳細に検証する必要がある。本研究では世界の食料システムと土地利用にシステムモデリングの枠組みを適用し、食料システムに関連する23種類の施策*が2050年までに公衆衛生・環境・社会的包摂・経済に及ぼす効果を15項目の指標によって定量化した。

個々の施策にはいずれもトレードオフがあるが、これらを組み合わせれば軽減することができ、相乗効果を高めることができる。我々の推計では、食料システムに関する複数の施策を組み合わせることで年間死亡者数は1億8,200万生命年の減少となり、窒素過剰についてはほぼ半分に削減できる可能性がある。環境保護のための施策は絶対的貧困には悪影響を及ぼすが、これも施策の組み合わせによって相殺することができる。食料システム以外の対策を含め、こうした施策の組み合わせによって1.5℃の気候目標を達成することは可能である。

* 糖質・肉類・乳製品の摂取制限、豆類・野菜・果物の摂取増、体重の管理、畜産の管理、農地・水資源の管理、再緑化、最低賃金制度の導入に関するものなど

 

原文タイトル:A food system transformation pathway reconciles 1.5 °C global warming with improved health, environment and social inclusion

論文著者:Benjamin Leon Bodirsky, Felicitas Beier, Florian Humpenöder, Debbora Leip, Michael S Crawford, David Meng-Chuen Chen, Patrick von Jeetze, Marco Springmann, Bjoern Soergel, Zebedee Nicholls, Jessica Strefler, Jared Lewis, Jens Heinke, Christoph Müller, Kristine Karstens, Isabelle Weindl, Miodrag Stevanović, Patrick Rein, Pascal Sauer, Abhijeet Mishra, Edna Johanna Molina Bacca, Alexandre C Köberle, Xiaoxi Wang, Vartika Singh, Claudia Hunecke, Quitterie Collignon, Pepijn Schreinemachers, Simon Dietz, Ravi Kanbur, Jan Philipp Dietrich, Hermann Lotze-Campen, Alexander Popp

公開日: 2025/12/19 

論文URL:https://doi.org/10.1038/s43016-025-01268-y

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