食生活と大腸がん UKバイオバンクにおける前向き研究

論文概要

 

背景: 食生活と大腸がんに関する従来の研究は1990年代の食習慣に基づくものがほとんどである。

方法: 食生活に関連する大腸がんの調整ハザード比を推定するため、UKバイオバンク研究のデータにコックス回帰モデルを用いた。2006~2010年の調査開始の時点で40~69歳の男女475,581人を対象とし、参加者は食品摂取頻度に関する簡易質問票を用いて食生活の内容を報告した。このうち175,402人の参加者では追跡期間中に実施したオンライン調査から24時間の食事記録が得られたことから、この大規模なサブサンプルを対象として食事の摂取量を再測定した。肉類および食品の摂取量に基づいて参加者をカテゴリーに分類し、ベースライン時点における参加者のカテゴリーごとにがんのリスクの推移を算出した。測定誤差や摂取量の経時変化を考慮するため、再測定で得られた摂取量をモデルに割り当てた。

結果: 平均5.7年間の追跡期間に発生した大腸がんは2,609例であった。赤肉・加工肉を1日当たり平均で76g摂取する参加者では、1日あたり21gの参加者と比較して大腸がんのリスクが20%高くなっていた(95%信頼区間(CI):4-37)。パンおよび朝食用シリアルに含まれる食物繊維の摂取量が上位5分の1に属する参加者では、大腸がんのリスクは14%低下していた(95%CI:2-24)。アルコールに関しては、1日あたりの摂取量が10g増えるごとに、大腸がんのリスクは8% 上昇していた(95%CI:4~12)。魚・鶏肉・チーズ・果物・野菜・紅茶・コーヒーに関しては、大腸がんのリスクとの関連は見られなかった。

結論: 赤肉・加工肉に関して英国政府が推奨している摂取量は1日当たり平均90g以下であり、1日当たり76gの摂取量はこの基準を満たしているが、大腸がんのリスクは増加していた。アルコールも大腸がんのリスク増加と関連していたが、パンや朝食用シリアルに含まれる食物繊維はリスク低下と関連していた。

 

原文タイトル:Diet and colorectal cancer in UK Biobank: a prospective study

論文著者:Kathryn E Bradbury, Neil Murphy, Timothy J Key

公開日: 2020/02/01 

論文URL:https://doi.org/10.1093/ije/dyz064

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