食生活に関する態度・認識・行動をヴィーガンと雑食の成人で比較する ドイツにおける横断調査研究

論文概要

 

背景: バランスの取れたヴィーガン食によって食習慣に関連した健康リスクを低減できることから、適切な介入策によってこうした食生活を推進することは公衆衛生を担当する地域当局にとって重要な問題である。このためにはヴィーガン食に関わる心理を理解して介入策に採り入れる必要がある。本研究では、ヴィーガン食を実践するドイツの成人を対象として食生活に関する態度・認識・行動を調査し、雑食の人々と比べてどのような違いが見られるかを検討した。

方法: データ収集はインターネット上のオンライン質問票を用いて実施した。ヴィーガンのグループ(738名)と雑食のグループ(824名)は一般人口を代表するものではないが、グループ間比較のため年齢と性別を統制した。統計的検定では、単変量および多変量による分散分析、t検定、マン・ホイットニーのU検定を用いた。

結果: ヴィーガン食を実践する主な動機は、倫理的理由(47%)、健康上の理由(22%)、環境問題(14%)であった。ヴィーガン食を選択する契機として最も多く挙げられていたのはドキュメンタリー映像などを視聴した経験であった(73%)。ヴィーガンの参加者のうち、53%はヴィーガン食を採り入れる際に他者の影響があったと回答した。子どもの年齢によって異なるものの、ヴィーガンの参加者では最大で48%、雑食の参加者では97%がそれぞれ自分と同じ食事法で子どもを養育していた。ヴィーガンの参加者は自らの食事パターンに関するリスクを低く評価し、利点をより大きく評価していた(η2 = 0.014-0.159)。栄養に関する情報を積極的に得ていると回答した割合は、ヴィーガンでは86%で、雑食の参加者の64%に比べて高く、複数の情報源が有用であることに関する認識は2つのグループで有意に異なっていた(η2 = 0.001-0.075)。ビタミンB12のサプリメントを摂取していると回答した割合も、ヴィーガンでは66%で雑食の参加者の34%を上回っていた。

結論: 上記の結果は、ヴィーガン食に関連する認知・行動パターンに関する先行研究と一致するものであるが、いくつかの新たな知見も得られた。特に、ヴィーガン食のリスクと利点に関する認識はグループ間で有意に異なることや、ヴィーガン食を実践する動機とそこで影響を及ぼす要因も明らかになった。これらの結果は、公衆衛生において介入策を策定する際の重要な基盤となり、この分野における今後の研究の基礎となるものである。

 

原文タイトル:Comparing diet-related attitudes, perceptions, and behaviors of vegan and omnivorous adults: results from a cross-sectional survey study in Germany

論文著者:Dan Borzekowski, Emilia Boehm , Natalie Berger, Ann-Kathrin Lindemann, Dino Trescher, Mark Lohmann, Gaby-Fleur Böl

公開日: 2025/12/23 

論文URL:https://doi.org/10.1186/s12889-025-25528-5

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