食習慣が環境と経済に及ぼす影響 ヴィーガン食と伝統的な地中海食の比較

論文概要

 

背景: より持続可能な食習慣への転換は、慢性疾患のリスクと環境の悪化に取り組むうえで極めて重要である。地中海食には健康上のメリットがあることはよく知られているが、動物性食品が含まれているため、完全なプラントベース食に比べると環境に及ぼす影響や経済的なコストはより大きい可能性がある。本研究では、クロスオーバー試験で記録された食事内容のデータを用いて二次的な解析を実施し、環境負荷および小売食品コストの観点から伝統的な地中海食とヴィーガン地中海食を比較した。

方法: OMNIVEG研究では、健康で身体活動性の高い男性14名が参加し、3週間にわたって伝統的な地中海食を摂った後、1週間のウォッシュアウト期間を経て、ヴィーガン地中海食を4週間にわたって摂取した。ライフサイクルアセスメント*を用いて環境負荷を評価し、政府による小売価格データを用いて食品コストを算出した。

結果: ヴィーガン地中海食では、従来の地中海食に比べて人間の健康に関する負荷が54.5%減少し、生態系に関する負荷は 50.9%、資源利用は43.4%減少しており、環境負荷は全体として有意に減少していた(p < 0.01)。食品の小売価格に関しても16.3%の低下が見られた(p < 0.05)。こうした違いは主として動物性食品を除いたことに起因するものであり、2つの食事パターンに共通する食品群では環境負荷に有意な差は認められなかった。

結論: 地中海食で使われている動物性食品を植物性食品に置き換えた場合、環境の持続可能性を高め、食品に関わるさまざまなコストを削減することが可能となる。完全なプラントベース食は持続可能で経済的な栄養供給のために実行可能な戦略であり、上記の研究結果はその推進を支持するものである。

* 製品・サービスの製造・生産から廃棄・リサイクルまでのライフサイクルを細分化し、環境負荷を定量的に評価する手法

 

原文タイトル:Environmental and economic impact of a vegan versus traditional mediterranean diet: OMNIVEG study

論文著者:Miguel López-Moreno, Paula Marrero-Fernández, Carla Galiana, Millán Aguilar-Navarro, Alejandro Muñoz, Jorge Gutiérrez-Hellín, Ujué Fresán

公開日: 2026/03/17 

論文URL:https://doi.org/10.1007/s00394-026-03939-3

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