食習慣における危険因子と疾病負荷 北欧・バルト諸国に関する世界疾病負荷調査2023年版データの系統的分析

論文概要

 

背景: 北欧およびバルト諸国では、不健康な食生活に起因する疾病負荷に関する詳細な知見は得られていない。本研究では、これらの国々において食生活関連のリスクに起因する死亡数および障害調整生存年数(DALY)を定量化し比較した。

方法: 世界疾病負荷調査2023年版(GBD 2023)のデータを使用した。食習慣に関わる15種類の危険因子について、疾病負荷の大きさを比較リスク評価の手法で分析した。以下の手順に従って系統的に分析を実施した:1.摂取された食品品目を推定、2.食習慣の危険因子が疾病アウトカムに与える相対危険度を評価、3.危険度が最小となる理論上の曝露レベル(TMREL)を算出、4.死亡数および障害調整生存年数(DALY)と年齢調整率から、食習慣の危険因子に起因する疾病負荷を推定。

結果:  北欧・バルト諸国の総人口34,064,020人に対し、食習慣の危険因子が関連する2023年の死亡数は38,450件(95%不確実区間 10,749-59,386)、障害調整生存年数は735,284年(242,417-1,066,388)であった。食習慣に関する主な危険因子は、加工肉の過剰摂取および果物・全粒穀物の摂取不足であった。食習慣の危険因子が疾病負荷に占める割合は、心血管疾患では24.9%(5.0-37.6)、糖尿病および腎臓疾患では29.6%(18.6-40.0)、新生物(がん)では7.8%(2.9-12.1)であった。これらの疾病負荷は、北欧諸国に比べバルト諸国およびグリーンランドで高かった。

解釈: 北欧・バルト諸国における疾病負荷のうち、相当部分は食習慣の危険因子に関わるものである。公衆衛生における政策立案では介入対象を絞る必要があり、不健康な食習慣が疾病負荷に及ぼす大きな影響を理解することは、こうした意味で重要である。

 

原文タイトル:The burden of dietary risk factors in the Nordic and Baltic countries: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2023

論文著者:GBD 2023 Nordic and Baltic Diet Collaboratorsa

公開日: 2025/11/25 

論文URL:https://doi.org/10.1016/j.lanepe.2025.101543

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