食肉を減らすことの利点に関する欧州消費者の認識

論文概要

 

赤肉・加工肉の過剰摂取は、2型糖尿病・体重増加・総死亡率の上昇などの健康問題、気候変動・水質汚染・生物多様性の喪失などの環境問題に関わっているとされ、倫理的な観点からも懸念を持たれている。赤肉・加工肉の消費を減らし、プラントベースの食習慣へ移行することが提唱されており、これによって公衆衛生と環境を改善し、人間と畜産動物のためにより公平な食料システムを構築することが可能となる。

欧州における肉類の平均消費量は世界の他地域に比べて高く、肉類の消費削減に関する研究は不足していることから、本稿では先行研究を検証し、欧州の人々の健康意識と食肉消費がどのように関連しているかを明らかにする。このため次の2つの研究課題を設定した:(1)消費者は肉類の健康性をどのように認識しているか、(2)健康上の懸念は肉類の消費量を変える動機となり得るか。

結果からは、食肉に関する欧州消費者の認識と消費削減において健康は重要な要因であることが明らかになった。健康上の懸念は消費者の認識に影響しているが、こうした認識は肉の種類や現在の食習慣に依存する曖昧なものであり、特に性別・年齢をはじめとする人口統計学的特性によっても異なっていた。

簡潔に言えば、健康は肉類の消費を減らす上で重要な動機であり、さまざまな理由がある中で最も重要なものの一つである。しかし、消費者にとって肉を食べ続けることもまた健康上の動機として重要であり、これは例えば(健康のために)ある種の肉類を他の肉類に置き換えるといった形で現れる。

したがって、食肉消費を変えるための政策介入の一環として健康を取り上げる際には微妙なバランスを取る必要がある。全体的な結果として、肉を減らす食習慣を採り入れるうえで消費者が挙げる理由は単一ではなく、ほぼ常に複数の動機があることがわかった。南欧・東欧に関する研究は極めて乏しいが、これらの地域に関してさらに研究を進めれば新たな知見が得られる可能性がある。

 

原文タイトル:Review: European consumers' attitudes towards the benefits of reducing meat consumption - the role of diverse and interconnected drivers

論文著者:C van der Sluis, J-F Hocquette, S Chriki

公開日: 2025/11/12 

論文URL:https://doi.org/10.1016/j.animal.2025.101718

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