食肉消費における逆説的ジェンダー効果は文化を超える

論文概要

 

男性は女性よりも肉を多く食べる傾向があるが、その理由は明らかではない。我々は、文化間比較研究(4大陸23カ国、20,802人)において、以下の3つの仮説を検証した:(a)食肉における性差は普遍的なものである、(b)食肉の性差は、ジェンダー・ロール*1に関連しているため、男女平等と人間開発*2の進んだ国では弱まる、(c)食肉の性差は性役割を表現する機会に関連しているため、男女平等と人間開発の進んだ国では強まる。

すべての国において、男性は女性よりも肉を多く消費する傾向があった。しかしこの差は、人間開発と男女平等がより進んだ国々において顕著に拡大していた。食肉消費におけるこの逆説的な男女差は、より発展し男女平等な状況において行動の性差がより大きくなることを示した先行研究と一致している。文化とジェンダーの理論に関する意義とともに、世界的な食肉削減に関する実際的な意義について議論する。

*1 性役割。その性別に、社会的に期待されている役割(Wikipedia より抜粋)*2 国連によって提唱されている概念で、多面的な尺度で健康・教育・生活水準における発展度合いに応じて国をランク付けする

 

原文タイトル:Paradoxical gender effects in meat consumption across cultures

論文著者:Christopher J. Hopwood, Jahn N. Zizer, Adam T. Nissen, Courtney Dillard, Andie M. Thompkins, Joāo Graça, Daniela Romero Waldhorn, Wiebke Bleidorn

公開日: 2024/06/13 

論文URL:https://www.nature.com/articles/s41598-024-62511-3

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