高齢者における睡眠の健康 プラネタリーヘルスダイエットとの関連性

論文概要

 

背景: プラネタリーヘルスダイエット*(PHD)が様々な疾患の発症リスクの低減をもたらすことは確立されているが、健康な睡眠との関連は不明である。本研究はPHDと睡眠の質・持続時間との関連性を初めて検証するもので、全国規模のサンプルを用いて身体運動との関連を評価し、健康的な加齢のための指針を提供する。

方法: 中国における健康長寿に関する縦断研究の第8波調査に登録された高齢参加者9,041名のデータを使用した。食物摂取頻度質問票・簡易版を用いて10種類の食品群に関するスコアからPHD指数を算出した。睡眠の質と持続時間のデータに関しては参加者との対面調査で収集した。PHDと睡眠の質・持続時間との関連について、多変量ロジスティック回帰モデルを用いて検証した。

結果: 参加者のうち睡眠の質が良好であったのは4,730名(52.32%)、睡眠時間が適切であったのは3,257名であった(36.02%)。調整後のモデルでは、PHD指数が高いほど睡眠の質は良好であり(オッズ比 1.35 倍、95%信頼区間=1.20-1.52)、睡眠時間も適切であった(オッズ比 1.36倍、95%信頼区間=1.20-1.54)。PHD指数が1ポイント上昇するごとに、睡眠の質が良好となる確率は5%高くなり、睡眠時間が適切となる確率は4%高くなっていた。

身体活動レベルのデータを統合した分析では特に重要な結果が得られた。すなわち、PHD指数が高く、かつ定期的な身体運動を行う参加者では、PHD指数が低く運動を行わない参加者と比較して、睡眠の質が良好である確率は有意に高く(オッズ比 1.64倍、95%信頼区間:1.42-1.89)、睡眠時間が適切である確率も有意に高かった(オッズ比 1.48 倍、95%信頼区間:1.27-1.73)。

結論: 以上の結果は、PHD指数が高いほど睡眠の質が向上し、睡眠時間も適切となることを示しており、プラントベースで持続可能な食習慣によって人間と地球環境のいずれにも便益があることを強く示すものといえる。

* EAT-Lancetダイエットとも呼ばれ、果物や野菜など加工度の低い植物性食品の摂取を重視し、魚や肉、乳製品の摂取は控えめにする食事法。スコアでは、14項目の食品成分について摂取レベルの基準に食事内容が準拠しているかを測定する。

 

原文タイトル:Association between the planetary health diet and sleep health in older adults: findings from a national community-based study

論文著者:Xinyan Ma, Yuhong Zhao, Hanqing Zhao, Daan Zhou, Hao Ai, Minghui Sun

公開日: 2026/02/04 

論文URL:https://doi.org/10.3389/fnut.2026.1758298

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