EU市民の畜産動物福祉に対する意識 2023年ユーロバロメーター調査による社会経済的分析

論文概要

 

背景と方法: 畜産動物の飼育環境や福祉に関するEU市民の期待や態度は前進し続けてきた。欧州委員会によるユーロバロメーター調査で得られたデータは、畜産動物の福祉 (FAW) に対する市民の意識を調べるために2005年から活用されてきた。本研究では2023年に実施された最新のユーロバロメーター調査のデータを使用し、畜産動物の福祉について選定した12項目の質問事項に対する回答をもとに回答者をクラスターに分類した。動物性食品のサプライチェーンに関わる利害関係者や政策担当者は計画の策定や進捗の管理、情報キャンペーンに取り組む必要があり、本研究では近年の動向について検証し、こうした取り組みに資する知見を提供することを主な目的とした。

結果と考察: ユーロバロメーターは層別多段無作為抽出法(確率抽出)による調査であるため、上記の手法で得られたクラスターは2023年の時点におけるEU市民の認識を反映したものとなっている。これら7つのクラスターは、FAWへの関心の度合いに応じて、以下のより大きな3つのクラスターにまとめられた:FAWに関する質問事項のうち、10項目以上について関心があると回答したクラスター(標本全体の74%)、3項目以下であったクラスター(6%)、両者の中間に相当し、5項目から7項目で関心があるとしたクラスター(20%)。この第3のクラスターは、特に畜産で行われている一部の慣行に対して懸念があるとしていた。各クラスターについて、回答者の社会経済的特性(性別・年齢・教育水準・職種・出身地域・普段から動物に触れる機会があるかどうか)を分析した結果、クラスター間の違いを分ける主な要因は性別と教育水準、日常生活における動物との接触であることが明らかになった。すなわち、女性や教育水準の高い人、特に日常からペットに接している人は、FAWに対して全般的により強い関心を抱いていた。さらに、購買習慣や情報収集の手段がクラスター間で異なることも明らかになった。

 

原文タイトル:Socio-economic analysis of the EU citizens’ attitudes toward farmed animal welfare from the 2023 Eurobarometer polling survey

論文著者:Giorgia Riuzzi, Barbara Contiero, Flaviana Gottardo, Giulio Cozzi, Arzu Peker, Severino Segato

公開日: 2025/03/14 

論文URL:https://doi.org/10.3389/fvets.2025.1505668

別のFACTを探す