畜産動物の輸送および屠殺場におけるアニマルウェルフェア: 屠殺場の従業員・動物輸送の運転手と獣医師の認識

Farm animal welfare during transport and at the slaughterhouse: Perceptions of slaughterhouse employees, livestock drivers, and veterinarians

Maja Lipovsek, Andrej Kirbis, Iztok Tomazic, Alenka Dovc, Manja Krizman

2024/01/29

https://www.mdpi.com/2076-2615/14/3/443

論文概要

 

アニマルウェルフェアは、動物の身体的・心理的状態についての複数の尺度からなる多元的な概念である。本研究の目的は、スロベニアの牛肉・豚肉・鶏肉に関して、畜産動物の輸送と屠畜場におけるアニマルウェルフェアを検証することにある。研究では、動物の健康状態や行動、係留地や輸送車両の状態。運転手の法令遵守など、アニマルウェルフェアに関する複数の項目についてアンケート調査を用いて5段階の尺度で評価した。調査ではこの尺度を用いて、1.屠殺場の従業員と動物輸送ドライバーによる自己評価、2.獣医師2名の観察による、アニマルウェルフェアについての客観評価、を実施し、2つの研究データの結果を比較した。調査には大規模屠殺場の従業員10名と動物輸送を担当するドライバー9名が参加した。その結果、屠殺場の従業員は家畜トラック運転手より動物福祉について知識はあるものの、両グループとも動物福祉に関する法律や規制を十分理解していないことが明らかとなった。また、獣医師らの専門家による評価は、従業員や輸送運転手の自己評価よりも総じて低かった。これらの調査結果から、動物の取扱いとアニマルウェルフェアに関する法規について、屠殺場の従業員および動物輸送を担当する運転手の意識・知識を向上する必要があると結論できる。

 

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