頭のいいニワトリを食べるのは悪いこと? 動物を食べることについての子どもの判断は大人ほど「利己的」ではない

How bad is it to eat an intelligent chicken? Children's judgments of eating animals are less ‘self-serving’ than adults

Heather Henseler Kozachenko, Jared Piazza

2022/09/14

https://doi.org/10.1111/sode.12709

論文概要

 

研究によれば、成人で肉を食べる人々は、動物についての情報のうち肉食に不都合なもの(例えば動物の知能)を巧みに歪曲したり無視したりすることがわかっている。しかし、このような行動が発達してくる過程についてはよくわかっていない。2つの研究で、小学生の子どもが、食用動物に関する情報を大人と同じような動機で利用するかどうかを検証した(N = 148人の子ども、410人の成人)。実験では、食用動物と非食用動物の知能が高い・低いに関する認識(研究1)、自己・他者のどちらの視点から見るか(研究2)を要因として操作する方法を用いた。その結果、さまざまな食物を食べる成人と比較して、子どもは食用動物に危害を加えることは悪いことであるという道徳観を強くもつ傾向があることが明らかになった。道徳的配慮における判断の動機として、動物の知能に関する情報や自他の区別を用いないのは成人のみであった。動物を食べることに関する子どもの判断には、肉を食べる成人に特徴的である、戦略的で利己的なプロセスは見られなかった。発達におけるこのような違いに対する心理学的説明について議論する。

 

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