子供・大人の動物に対する考え方の違いについての更なる知見(ドイツでの調査)

論文概要

 

8歳から74歳のドイツ人500人以上を対象とした調査により、子供は大人よりも動物を食べることに反対であり、その理由も大人とは異なる傾向があることが分かった。

複数の研究で、動物に対する倫理的態度に年齢差があることが指摘されている。子供は大人よりも動物を人間より優先する傾向があり、動物の倫理的価値を判断する際に、より幅広い特徴を考慮することが示されている。また、子供が大人になるにつれて種差別的な考えが増えていくという研究結果も存在する。研究者は、肉を食べる子供たちが成長して食システムについて学ぶにつれ、肉に関する葛藤に直面し、その葛藤を軽減するために、肉を食べ続けることを正当化しなければならなくなるため、考え方に変化が生じていると推測している。

しかし、これらの研究の多くは英国のみで実施され、調査対象者の数も比較的少ないので、他の集団にも適用できるか判断するのは困難である。この研究の目的は、ドイツにおいて、より幅広い年齢層を対象に、動物に対する考え方の年齢差について、先行研究を再調査することにある。

研究チームは、8歳から74歳までのドイツ居住者507名を対象に調査を行った。サンプルの内訳は以下となっている。

  • 子供(8〜11歳):116名
  • 若者(12〜18歳):125名
  • 成人初期(19〜29歳):128名
  • 成人(30歳以上):138名

年齢に関わらず、参加者の多くが雑食性となっている(子供の84%、若者の82%、成人初期の58%、成人の58%)。

大人はオンラインで調査に回答、子供や若者は学校で直接回答の記入を行った。回答者は、動物を食べることをどれくらい『良い』または『良くない』と思うかを1から6の尺度で答え、その回答に対する理由を記述した。

最初の質問への回答に基づき、参加者は『肉食を肯定する』『肉食を否定する』『どちらとも言えない』の3つのグループに分類された。

過去の研究と同様に、この研究でも年齢による違いが見られた。
子供(8〜11歳)は肉食を「許容できない」と答える割合(36%)が「許容できる」とする割合(13%)を上回った。しかし、若者(12〜18歳)では逆の結果となり、「許容できる」(36%)が「許容できない」(19%)を上回った。
一方、肉食に対して賛成とも反対とも言い切れない葛藤を抱える人の割合は全世代で高く、子供(8〜11歳)で51%、若者(12〜18歳)で45%、成人初期(19〜29歳)で40%、成人(30歳以上)で32%だった。

さらに、子供と大人では理由の挙げ方に違いがある傾向が見られた。例えば、子供は「君だって食べられたくないだろう」といった、動物の権利に関する理由を挙げる傾向が大人よりも強かった。逆に、大人は「肉を食べるのは人間の特質だ」といった、食肉は自然なことだと言及する傾向が、子供よりも強かった

若者層(12〜18歳)は、その中間的な正当化理由を挙げていた。子供(8〜11歳)と同様に、大人よりも「動物の権利」を理由に挙げる傾向があり、その一方で、大人と同様に、彼らは子供よりも「不自然なことである」として議論する傾向も見られた。興味深いことに、成人初期(19〜29歳)と成人(30歳以上)は似た根拠を挙げていた。このことは、肉食に対する正当化理由は年齢とともに固定化していく可能性を示唆しており、さらなる追跡調査が必要である。

当然のことながら、肉を食べることに葛藤している参加者たちの回答は、その不確かさを示す回答となっていた。肉食に賛成している人々と比べて、肉食を「自然なこと」あるいは「必要なこと」と考える傾向が低かった。また、肉食に賛成または反対の立場である参加者と比較して、一方的な議論ではなく、両面的な議論をする傾向が強かった。つまり、葛藤している参加者は、肉食の賛成理由と反対理由の両方を挙げていたのである。

総括すると、この研究は、動物に対する子供の倫理観が大人とは著しく異なるという、積み上げられつつある知見にさらなる裏付けを加えるものとなっている。子供はいずれ大人になるため、若い人々の考えが変化するのを防ぐことは、動物擁護活動にとって有望な機会となる可能性がある。また、今回の調査結果は、肉食に対して葛藤を抱いている人々に対して、彼らが元々持っていた懸念事項を土台に働きかけていくことが最も効果的である、という点も強調している。

※本記事はこの記事の最下部にある論文のFaunalyticsのリサーチャーによる要約を、同団体の許可を得て翻訳したものです。

More Evidence That Children Think Differently Than Adults About Animals – Faunalytics

 

原文タイトル:Reasoning about eating animals across the lifespan

論文著者:Bagus, T., McGuire, L., & Beißert, H.

公開日: 2025/10/01 

論文URL:https://doi.org/10.1016/j.appet.2025.108333

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