ベジタリアン・ヴィーガンの普及度と精神病理?ドイツにおける代表的な人口サンプルを対象とした調査結果

Prevalence and Psychopathology of Vegetarians and Vegans ? Results from a Representative Survey in Germany

Georgios Paslakis, Candice Richardson, Mariel Nohre, Elmar Brahler, Christina Holzapfel, Anja Hilbert & Martina de Zwaan

2020/04/22

https://www.nature.com/articles/s41598-020-63910-y

論文概要

 

本研究の目的は、(ドイツにおける)ベジタリアニズム・ヴィーガニズムについて、その普及度と人々の捉え方を調べることである。また、ベジタリアニズム・ヴィーガニズムと摂食障害や抑うつ・身体症状との関連についても検証した。年齢・性別・教育レベルに関して典型的なドイツの成人を対象としたアンケート質問票による横断的調査を実施した。2449人の成人(このうち女性は53.5%)からのデータが収集され、平均年齢は49.6歳(標準偏差 17.1歳)であった。ベジタリアンまたはヴィーガンの食事をしていると答えた参加者は合計5.4%であった。大多数の参加者はベジタリアン食が健康的で無害であると認めていたのに対し(56.1%)、ヴィーガン食については34.8%しかそう考えていなかった。大半の参加者はまた、ベジタリアン(58.7%)またはヴィーガン(74.7%)の食事は栄養不足を招くことがあると考えていた。ベジタリアン・ヴィーガンとの関連が見られたのは、性別では女性であること、年齢が若いこと、高学歴であること、BMI(body mass index、体格指数)が低いこと、抑うつや摂食障害の傾向が強いこと、などである。ベジタリアン・ヴィーガンの参加者において身体的な不調が増加していることはなかった。我々の結果は、一般的な人口集団においてベジタリアニズム・ヴィーガニズムがある程度広がっていることを示している。医療関係者がベジタリアン・ヴィーガンの食事を選ぶ人々に対する際には、摂食障害の病態や感情の状態を念頭に置く必要があると考えられる。

 

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