英国における肉消費量の減少に最も寄与しているのは、肉一回分の分量の縮小となっている

論文概要

 

要旨

肉の消費を減らすことは環境と健康の改善に役立つが、個々の肉消費削減策の効果は状況によって異なる。本研究では、英国の国民食事・栄養調査(National Diet and Nutrition Survey:NDNS)のデータ(2008~2009年から2018~2019年)を用いた分解分析により、英国では肉一回分の分量の縮小が肉の総消費量の減少に最も大きく寄与していたことを明らかにした(52%)。次いで、肉を食べる日数の減少(24%)、肉を食べる人の減少(17%)、肉を食べる食事機会の減少(7%)が寄与していた。より効果的な政策をとるため、肉消費に関する行動パターンを理解することが重要である。

本文

肉、特に赤肉と加工肉の多量摂取は、心血管疾患、2型糖尿病、一部のがん(特に大腸がん)など、多くの非感染性疾患のリスク上昇と、全死亡リスクの上昇に関連している。肉の生産は、温室効果ガス排出、過剰な土地利用、淡水取水量の増大に対する最大の単一の寄与要因でもあり、これらはいずれも気候変動を悪化させ、有限な天然資源を枯渇させる。そのため、英国気候変動委員会(CCC)は、ネットゼロ達成に向けて、肉の消費量を2030年までに20%、2050年までに35%削減することを勧告している。英国のNDNSにおける肉消費量の最近の分析では、2008~2009年から2018~2019年にかけて、1人1日当たり103.7 gから86.3 gへと、年間約1.7%の割合で徐々に減少していた。この分析では、赤肉と加工肉の消費が減少する一方、白肉の消費が増加しており、同様の傾向は国連食糧農業機関によっても確認されている。2010年、栄養に関する科学諮問委員会は、英国で赤肉と加工肉の摂取量が多い成人(90 g/日超)は、摂取量を最大70 g/日まで減らすことを検討すべきだと勧告した。しかし、2018~2019年には、英国の肉を食べる成人の3分の1以上がこの勧告量を上回っていた。肉摂取量が英国全体と同程度であるスコットランドでの最近のモデル研究によれば、赤肉と加工肉の摂取量をさらに60 g/日および31 g/日まで減らすことで、CCCの20%および35%削減目標をそれぞれ達成できるとされる。

本研究は、先行するNDNSの論文を発展させ、肉消費量の減少をもたらしている行動について検討するものである。具体的には、人口に占める肉を食べる人の割合、肉を食べる日数、1日当たりの肉を食べる機会数、および肉の一回分量の変化を定量化する。肉消費のパターンを支える具体的な習慣と嗜好に注目することで、政策立案者は、持続可能な食生活への移行を促し、国の削減目標を達成するための戦略を、より効果的に設計できる。

結果

分析対象は、4日分の食事の記録を記入した、NDNS参加者15,332人(1.5~96歳)である。データ源、標本の選択、分析方法の詳細は「方法」の章に記載している。2008~2009年には英国人口の54%が食事記録の4日間すべてに何らかの肉を食べていたのに対し、2018~2019年には48%であった。2008~2009年から2018~2019年にかけて、1人1日当たりの総肉消費量の平均値(標準誤差)は、103.4(2.33)gから86.2(2.65)gへ17.5 g減少した(Ptrend < 0.001)。肉を食べる人の割合は96.4(0.74)%から93.4(1.09)%へ3.2%低下した(Ptrend < 0.001)。肉を食べる平均日数は3.39(0.03)日から3.24(0.04)日へ0.15日減少し(Ptrend < 0.001)、1日当たりの肉を食べる平均機会数は1.49(0.02)回から1.46(0.02)回へ0.03回減少した(Ptrend = 0.02)。肉を食べる1回の機会における肉の平均量は85.8(1.73)gから76.1(1.56)gへ9.7 g減少した(Ptrend < 0.001)。赤肉と加工肉でも同様の傾向がみられ、赤肉の減少が最も大きかった。経時的な増加が観察されたのは、白肉を食べる人の割合(76.3(1.60)%から79.0(1.65)%へ+2.7%、Ptrend < 0.001)、白肉を食べる日数(1.42(0.04)日から1.57(0.05)日へ+0.15日、Ptrend < 0.001)、1日当たりの白肉を食べる機会数(0.40(0.01)回から0.45(0.02)回へ+0.05回、Ptrend < 0.001)のみであった。1人1日当たりの白肉消費量も増加した(32.59(1.38)gから37.54(1.65)gへ+3.15 g、Ptrend = 0.001)。白肉の平均一回分量には変化が認められなかった(84.7(2.52)gから79.7(2.41)g、Ptrend = 0.18)。

図1:英国NDNS継続調査の第1~11年における肉摂取行動の推移

a:人口に占める肉を食べる人の割合(%)
b:4日間の食事日記期間における、肉を食べる平均日数。肉を食べる日(肉の摂取量が0 g超)は0~4日であった。
c:肉を食べる日1日当たりの、肉を食べる平均機会数。肉を食べる食事機会(肉を0 g超含む)の平均は、肉を食べる日を対象として算出した。
d:肉を食べる食事機会1回当たりの一回分量(g)。肉の平均一回分量(g)は、肉を食べるすべての機会にわたって算出した。経時的な傾向は、計数データ(肉を食べる日数)にはポアソン回帰モデル、連続データ(肉を食べる人の割合、1日当たりの肉を食べる機会数、一回分量、1人当たりの平均消費量)には一般化線形回帰モデルを用いて評価した。

肉全体の平均一回分量は、朝食では102.0(6.02)gから94.3(6.55)gへ7.7 g減少し(Ptrend = 0.008)、夕食では284.9(6.70)gから241.5(7.34)gへ43.4 g減少した(Ptrend < 0.001)。昼食では差が認められなかった(Ptrend = 0.13)。

すべてのサブグループで、肉を食べる人の割合が低下した。男性では、これに加えて一回分量の縮小によって肉消費量が減少した(−14.9 g、Ptrend < 0.001)。一方、女性では、それ以外のすべての行動でも消費量が減少したが、一回分量の減少は男性より緩やかであった(−4.48 g、Ptrend = 0.02、Pint = 0.02)。成人では、それ以外のすべての摂食行動でも肉消費量が減少したのに対し、子どもでは、一回分量の縮小による追加的な減少のみがみられた(−3.29 g、Ptrend = 0.002)。所得の三分位群のいずれでも、一回分量がさらに縮小した(第1群:−11.7 g、Ptrend = 0.01、第2群:−8.36 g、Ptrend = 0.004、第3群:−7.42 g、Ptrend = 0.006)。肉を食べる日数の減少によっても消費量が減少したのは、第3群(最高所得群)のみであった(−0.22日、Ptrend = 0.009)。

分解分析では、1人当たりの総肉消費量の17.5 gの減少に対し、一回分量が51.8%(−9.07 g)、肉を食べる日数が24.4%(−4.28 g)、肉を食べる人の割合が17.3%(−3.03 g)、1日当たりの肉を食べる機会数が6.5%(−1.14 g)寄与していた。サブグループ分析でも、すべての群で一回分量が最大の寄与要因であった(男性:69.4%、女性:38.5%、成人:48.1%、子ども:66.3%、所得第1三分位群:54.8%、第2三分位群:73.8%、第3三分位群:45.4%)。

図2:英国NDNS継続調査の第1~11年における肉摂取行動の分解分析

肉を食べる日(肉の摂取量が0 g超)は0~4日であった。肉を食べる機会(肉を0 g超含む)の平均は、肉を食べる日を対象として算出した。肉の平均一回分量(g)は、肉を食べるすべての機会にわたって算出した。注:各肉種は別個の集団として分析している(例えば「加工肉を食べる人」「赤肉を食べる人」など)。

考察

本研究は、英国人口における肉消費行動の経時的変化を調べ、これまで検討されていなかった知見を示すものである。2008~2009年から2018~2019年にかけての肉消費量の減少を最も強くもたらしていたのは、肉、特に赤肉と加工肉の一回分量の縮小であった。

一回分量の縮小が肉消費量の減少の主因であったという本研究の結果は、一回分量を小さくすることが肉摂取量を減らす有効な戦略となりうることを示した先行研究と一致する。実際、先行研究では、肉中心の食生活を送る消費者は、フレキシタリアン(主に菜食を実践しつつ肉も食べる人)と比べて、肉を含まない食事への評価が最も低いことが示されている。そのため、この集団に肉の一回分量を減らすよう促すことが、最も大きな効果をもたらす可能性がある。肉の少ない食事への移行は、例えば味の好み、認知された社会規範、調理技能に左右されにくいことから、肉を含まない食事を取り入れるよりも障壁が少ない可能性がある。より広い観点では、これらの結果は、一回分量の縮小がエネルギー摂取量を減らす仕組みを明らかにした先行文献によっても裏付けられる。例えば、肉をより小さな単位に分けることは、消費者に大きな負担感を与えずにエネルギー摂取量を緩やかに減らすことが示されている。これは、食品が小さな単位で提供されると摂取量が少なくなる可能性があるという「ユニット・バイアス」を利用したものである。この観察結果は、従来、肉の消費量が多く、摂取量を減らすことへの抵抗が強いとされてきた集団、特に男性や社会経済的地位の低い集団において、一回分量の縮小が肉消費量の減少の主因であるとする既存研究とも一致する。対照的に、肉の消費量が少なく、菜食を受け入れやすい傾向にある女性および高所得層は、肉を食べない日や肉を含まない食事機会を含む、すべての行動を通じて肉摂取量を減らしており、より意図的な取り組みを示していた。NDNSの先行分析では、男性と女性は同程度の速度で肉消費量を減らしていた。このことは、肉消費量の全体的な変化だけを調べると、性別に関連する重要な行動の違いを見落とすことを示している。本研究の結果は実験的試験ではなく、観察された消費行動に基づくものだが、肉の一回分量を減らすことを目的とした介入や政策により、肉消費削減の取り組みを加速できる可能性を支持する。この知見は、多量消費者(すなわち男性と社会経済的地位の低い集団)を特に対象とした介入を設計することが適切であるとも示唆している。政策立案者と食品業界が協力し、肉の一回分量に関する指針を策定し、肉を含む複合料理の配合を見直し、肉と植物性原料を組み合わせたハイブリッド製品や、肉と高たんぱくの植物性食材の混合品を開発することは、重要な前進となりうる。

肉全体の一回分量は10年間で9.7 g、年間約2%減少していた。赤肉の標準的な1食分(100 g、3.5オンス)および加工肉の標準的な1食分(50 g、1.8オンス)と非感染性疾患との間に確立された関連を踏まえると、これらの減少は小さいようにみえる。先行研究では、赤肉・加工肉の消費と非感染性疾患との用量反応関係は、標準的な1食分を単位とする増分によって表現されることが多い。注目すべきことに、NDNSにおける赤肉と加工肉の平均消費量は、1日1食分を下回っていた。したがって、肉消費と非感染性疾患の関連を検討する分析では、標準的な1食分よりも小さい増分を用いた、より詳細な用量反応曲線が有用となる可能性がある。赤肉と加工肉ではすべての消費行動で減少がみられたのに対し、白肉では、食べる日数と機会数、および1人当たりの消費量が増加した。この違いには、いくつかの要因が考えられる。第1に、白肉消費の増加傾向は、他の肉と比べた相対的な価格低下によって生じた可能性がある。例えば英国では、ローストチキンの価格が2008年12月の304ペンス/kgから2018年12月の278ペンス/kgへ下落した一方、同じ期間に牛ひき肉の価格は595ペンス/kgから671ペンス/kgへ上昇した。第2に、白肉は、赤肉と加工肉とは異なり、世界保健機関の国際がん研究機関によって発がん性物質に分類されていないため、より健康的な代替品と認識されている可能性がある。さらに、白肉の消費と心血管疾患などの健康転帰との関連については、結果が一貫しておらず、加工肉で認められるような明確な因果関係は示されていない。最後に、肉消費に伴う環境上の懸念は主に牛肉に向けられている。牛肉の温室効果ガス排出量は、家禽肉の約10倍と、著しく多いためである。したがって、環境上の懸念を動機とする人々は、影響の小さい代替品として白肉を選んでいる可能性がある。

英国の人々の肉消費量の減少を主に一回分量の縮小がもたらしていたことを踏まえると、肉を含まない食事や肉を食べない日など、相補的な取り組みの促進へ重点を移すことも考えられる。本研究では、肉を食べない日が、女性と最高所得群の肉消費量の減少に顕著に寄与していた。同様に、ニューヨークとフランスでの「ミートレス・マンデー」への参加を調べた研究でも、参加者は女性や高所得者である可能性が高かった。これは、こうした実践上の障壁がより大きい削減の取り組みに、特定の集団がより前向きに反応する可能性を示唆する。さらに、ミートレス・マンデーのキャンペーンは40か国以上で広く採用され、さまざまな公衆衛生・環境団体から支持を得ている。こうしたキャンペーンを活用することは、肉消費削減への意識を高め、参加を促進する有効な手段となりうる。 本研究の主要な強みは、英国の全国代表性を有する食事データを収集する唯一のデータセットであるNDNSを使用したことである。また、数学的な分解手法の導入により、さまざまな食行動の相対的な重要性を明らかにした。本研究の限界は、NDNSが横断調査であるため、個人の食行動の縦断的な変化を検討できないことである。さらに、本研究は2019年までのNDNS調査データを使用した。2020年のデータも利用可能だが、COVID-19のパンデミック中に収集されたもので、代表性がなく、変更された食事評価方法が用いられていた。NDNSには本人申告による食事機会の情報がないため、本研究では、最小時間間隔に基づく既報の方法により食事機会を定義したことにも留意が必要である。この方法は参加者の実際の食事機会を正確に反映しない可能性があり、「食事」に別の定義を適用すれば、異なる結果が得られる可能性がある。誤申告や過少申告も、自己申告による食事評価方法に内在する限界である。NDNSは、よく食べられる食品について異なる一回分量を明示した写真例を含む指針を参加者に提供し、食品摂取量の推定精度を高めることで、この問題への対処を試みている。子どもを対象としたサブグループ分析では、11歳以下の子どもの4日間の食事記録を、必要に応じて子どもの意見を取り入れながら保護者または養育者が記入する必要があることが、食事評価を複雑にしている。ただし、子どものこのデータ収集方法によって生じうるバイアスは、調査年を通じて一貫していると仮定され、経年的な傾向を大きく歪めることはないかもしれない。

結論として、全国代表性を有する食事データは、英国の肉消費量の減少傾向が主に肉の一回分量の縮小によってもたらされており、性別、年齢、所得の各群間で大きな違いがあることを示唆する。今後の研究では、具体的な食品の種類(例えば、複合料理と単独の肉料理)を通じて、一回分量やその他の消費行動の減少の背後にある仕組みを検討することが考えられる。また、こうした減少が総エネルギー摂取量や食事全体の傾向とどのように対応するかを評価すれば、これらの変化が栄養面にもたらす、より広範な影響について理解を深められる可能性がある。これらの食事が家庭内で食べられるのか、家庭外で食べられるのかを明らかにすることも重要である。それによって、一回分量の縮小が、飲食店や小売業者の調整など人口全体に及ぶ変化に由来するのか、個人の選択に由来するのかを理解できる。これらの結果は、一回分量に的を絞った介入と公衆衛生政策が、健康および環境の目標に向けて肉消費量の削減を加速する、有効な戦略となりうることを強調している。

方法

本研究は、英国のNational Data Serviceで公開されている匿名化データを使用したため、倫理審査または規制上の承認を必要としなかった。NDNS継続調査はヘルシンキ宣言に準拠し、英国のHealth Research Authorityの研究倫理委員会の下で実施されている。承認番号は、第1~5年が07/H0604/113、第6~11年が13/EE/0016である。NDNSのデータ収集は、NDNSの資料に記載された倫理規則に従って行われた。参加者には、調査への参加と時間の提供に対し、最大50ポンドの謝礼が支払われた。その内訳は、看護師の訪問時に血液試料を提供することに対して20ポンド、4日間の食事記録のうち少なくとも3日分を記入することに対して30ポンドであった。当初のNDNSデータ収集過程で、すべての参加者、または必要に応じてその保護者からインフォームド・コンセントを得ていた。

データ源と標本

NDNS継続調査は、一般世帯で暮らす1.5歳以上の英国住民から、詳細な食事摂取データと栄養状態の情報を継続的に収集する横断調査である。NDNSは、英国公衆衛生庁と英国食品基準庁から資金提供を受けている。英国人口の食事と栄養を監視し、公衆衛生上の栄養目標への遵守状況に関するエビデンスを提供するとともに、栄養データの収集と分析に対する政府の継続的な支援と資源を確保することを目的としている。調査設計や重み付けを含むNDNSの方法の詳細は、既報に記載されている。要約すると、NDNSは英国人口の全国代表性を有するよう設計されており、調査の重み付けによって人口の年齢・性別分布を調整している。標本は郵便番号住所ファイルから抽出され、郵便番号区域に基づいて一次抽出単位(PSU)にまとめられた。各PSUから住所のリストを無作為に選び、調査員が各世帯から成人1人と子ども1人を上限として参加者を無作為に選んだ。本研究には、継続調査の第1~11年(2008~2009年から2018~2019年)の参加者を含めた。

食事摂取データ

食事データは、連続する4日間の食事記録によって収集された。調査設計では、週の各曜日が均等に代表されるよう配慮されている。NDNSのデータ収集方法の詳細は、別途記載されている。要約すると、参加者は指定された4日間に摂取したすべての食品と飲料を、紙の日記に記録するよう指示された。11歳以下の子どもについては、必要に応じて子どもの意見を取り入れながら、保護者または養育者が4日間の食事日記を記入するよう求められた。12歳以上の子どもは、必要に応じて他者に詳細を確認しつつ、自分で日記を記入するよう求められた。参加者は、家庭で用いる計量単位(例えば大さじ)を使うか、食品表示に記載された重量を報告することで、一回分量を推定した。本研究は肉を食べる日数の頻度を検討したため、食事日記が4日分に満たない参加者は分析に含めなかった(n = 323、2%)。

肉の分類

肉全体に加え、加工肉、赤肉、白肉の消費をそれぞれ個別に検討した。本分析には魚の消費を含めなかった。肉摂取量の推定には、複合料理の肉以外の成分をすべて除外した、成分分解済みのデータを用いた(すなわち、牛肉のラザニアでは牛肉のみのグラム数を推定した)。肉食品は、NDNSで既存の分類に分解された。複数の肉種を含む料理では、各肉種を個別に分解し、相互に重複しない11の分類のいずれかに割り当てた。NDNSにおける肉消費量の先行トレンド分析の方法に合わせ、これらの分類を次の加工肉、赤肉、白肉にまとめた。

1. 加工肉:加工された赤肉、加工された家禽肉、ソーセージ、バーガー。

2. 赤肉:牛肉、羊肉、豚肉、その他の赤肉、内臓肉。 3. 白肉:家禽肉およびカモを含む狩猟鳥類の肉。

肉消費行動

肉摂取量が経時的にどのように変化したかを評価し、特に、異なる4つの肉消費行動の変化を検討した。すなわち、(1)人口に占める肉を食べる人の割合、(2)肉を食べる人における、肉を食べる日数の頻度、(3)肉を食べる日における、1日当たりの肉を食べる機会数、(4)肉を食べる機会における肉の一回分量(g)である。複数の肉の下位分類(すなわち加工肉、赤肉、白肉)を含む料理では、それぞれの下位分類の摂取頻度と一回分量を個別に求めた。例えば「鶏肉、ベーコン、マッシュルームのクリームパイ」は、白肉食品でも加工肉食品でもあるとみなした。そのため、白肉と加工肉の一回分量を別々に推定し、それぞれの下位分類の摂取頻度も独立して数えた。

人口に占める肉を食べる人の割合は、肉を食べる人(0 g超)と食べない人(0 g)の調査加重比率によって算出した。 肉を食べる日数は、肉を食べる人を対象として、4日間の食事記録期間中に何らかの量の肉(0 g超)を摂取した日数と定義した。また、肉を摂取しなかった日数を調べ、4日間のうち肉を食べた日が0日、1日、2日、3日、4日である人の分布も検討した。

食事機会は、すべての食品と飲料からの摂取量が50 kcal以上で、摂食と摂食の間隔が30分超ある記録と定義した。肉を食べる機会は、すべての食品と飲料からの摂取量が50 kcal以上で、肉の摂取量が0 g超あり、摂食と摂食の間隔が30分超ある記録と定義した。1日当たりの肉を食べる平均機会数は、食事記録のうち肉を食べたすべての日にわたり、参加者の1日当たりの肉を食べる機会数の平均として算出した。 肉を食べる各機会に摂取された肉の一回分量(g)を求めた。肉の平均一回分量は、肉を食べるすべての機会に摂取された肉のグラム数を平均して算出した。さらに、NDNSの先行する食事時間の分析と同じ時間帯を用い、標準的な食事時間別に肉の一回分量を検討した。朝食は午前6時~11時、昼食は正午~午後3時、夕食は午後4時~11時である。

社会人口学的特性

社会人口学的変数には、自己申告による年齢、性別、等価世帯所得の三分位群を含めた。年齢については、参加者に生年月日を回答するよう求め、不明な場合には直近の誕生日の時点での年齢を回答するよう求めた。この情報を提供できない、または提供を望まない場合には、調査員の推定を用いた。参加者を子ども(18歳未満)と成人(18歳以上)の年齢群に分類した。参加者は男性または女性のいずれかを自己申告するよう求められ、回答がない場合には調査員が性別を報告した。参加者は、住宅給付と児童手当を含む、控除・課税前の過去12か月間の世帯総所得を報告した。NDNSのデータファイルでは、これらのデータは世帯の人数と構成を考慮して等価化され、三分位群に分けられていた。

統計解析

標本内のクラスタリングに対処し、世帯および個人の両方のレベルで潜在的な選択バイアスと無回答バイアスを最小限に抑えるため、分析にはNDNSデータセットで公表された調査重みとPSUを組み込み、さらに世帯レベルのクラスタリングも考慮した。 各調査年について、肉を食べる人の割合、肉を食べる平均日数、1人当たりの1日当たりの肉を食べる平均機会数、および肉を食べる1回の機会における平均一回分量を報告する。また、1人1日当たりの平均肉消費量も報告する。2008~2009年から2018~2019年までの経時的な傾向を、計数データ(肉を食べる日数)の分析ではポアソン回帰モデル、連続データ(肉を食べる人の割合、1日当たりの肉を食べる機会数、一回分量、1人当たりの平均消費量)では一般化線形回帰モデルを用いて検討した。さらに、性別、年齢群、等価世帯所得の三分位群などを考慮し、各人口サブグループについて別々に単変量分析を行った。これらのモデルでは、係数の信頼区間を、Rの基本機能に含まれるconfint()関数で実装されたプロファイル尤度法によって算出し、該当する場合には解釈を容易にするため指数変換した。

消費量の全体的な減少に対する各肉消費行動の寄与割合を推定するため、Alexanderらが実装した以下の式に基づく分解分析を用いた。

ここで、ci,tは時点tにおける1人当たりiの平均総肉消費量を表す(t1はベースライン、t2はその後の調査年である)。Xはそれぞれ、肉を食べる人の割合、肉を食べる平均日数、1日当たりの肉を食べる平均機会数、および肉を食べる1回の機会における平均一回分量(g)を表す。性別、年齢群、等価所得の三分位群別にも分解分析を行った。 すべての分析はRバージョン4.2で実施した。人口統計学的分析と回帰分析で調査重みを考慮するため、「survey」と「srvyr」のパッケージを用いた。統計的有意性の基準は、傾向分析ではP < 0.05、サブグループ間の交互作用ではP < 0.1とした。

研究報告の概要

研究デザインの詳細は、本論文にリンクされているNature Portfolioの研究報告概要に記載されている。

データの公開状況

本分析では、国民食事・栄養調査(NDNS)継続調査の第1~11年(2008~2009年から2018~2019年)のデータを使用した。これらのデータはオープンアクセスであり、UK Data Serviceから無料でダウンロードできる。関連する更新情報やデータ共有契約をダウンロード者・利用者が直接確認できるよう、NDNSデータはUK Data Serviceから直接ダウンロードすることが推奨される。

コードの公開状況

本論文の分析に使用したすべてのコードは、GitHub(axvonder/NDNSMeatTrends)でオープンアクセスとして公開されている。

※本記事はオープンアクセス論文の内容を日本語に翻訳したものです。正確な内容や引用、参考文献等については、必ず原著論文をご確認ください。

 

原文タイトル:Smaller meat portions contribute the most to reducing meat consumption in the United Kingdom

論文著者:Alexander Vonderschmidt, Lindsay M. Jaacks, Peter Alexander, Rosemary Green, Alexandra L. Bellows & Cristina Stewart

公開日: 2024/11/01 

論文URL:https://doi.org/10.1038/s43016-024-01070-2

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