英国のヴィーガン・ベジタリアン・魚を食べる人・肉を食べる人が環境に与える影響は異なる

Vegans, vegetarians, fish-eaters and meat-eaters in the UK show discrepant environmental impacts

Peter Scarborough, Michael Clark, Linda Cobiac, Keren Papier, Anika Knuppel, John Lynch, Richard Harrington, Tim Key & Marco Springmann

2023/07/20

https://www.nature.com/articles/s43016-023-00795-w

論文概要

 

シナリオとしてモデル化された食事のパターンには食生活の実態が反映されないことが多く、食品の原材料調達や生産方法の違いに起因する環境負荷の大きさのばらつきを説明できない。ここでは、ヴィーガン・ベジタリアン・魚を食べる人・肉を食べる人を含む55,504人のサンプルから得られた食事データと、119カ国・38,000以上の農場についてのライフサイクル・アセスメント570件の調査から得られた食品レベルのデータ(温室効果ガス排出・土地利用・水利用・富栄養化リスク・潜在的な生物多様性損失に関するもの)を連結させた。我々の結果には、ライフサイクル・アセスメントの調査で見られた食品の生産・調達におけるばらつきが含まれている。環境に関するすべての指標は動物性食品の消費量と関連していた。肉を多く食べる人(高肉食者、1日当たりの肉消費量100g以上)を基準とした場合、ヴィーガンが環境に与える影響は、温室効果ガス排出量では高肉食者の25.1%(95%不確実性区間=15.1-37.0%)、土地利用では高肉食者の25.1%(7.1-44.5%)、水利用では高肉食者の46.4%(21.0-81.0%)、富栄養化では高肉食者の27.0%(19.4-40.4%)、生物多様性では高肉食者の34.3%(12.0-65.3%)であった。低肉食者と高肉食者の間には、ほとんど全ての指標で少なくとも30%の差が見られた。食品が生産される場所や方法によるばらつきは相当あるものの、環境への影響と動物性食品の消費との関係は明らかであり、動物性食品の消費削減を推進する必要がある。

 

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