うつ病動物モデル

うつ病などの精神疾患は人間というより、個人ごとに原因が違うことは、誰もが知っているだろう。
その状態を動物で作り出すのは、非常にむごい方法で行われ、しかも、ほんの一部の症状に近い状態を作り出すのみだ。
世の中に出回る坑うつ剤、あまり過信してはいけない。

動物モデルの作成方法

  • 強制水泳試験はラットを脱出不可能な円筒状のプール内で強制的に泳がせる
  • 脱出できないと分かり、無動状態(水に浮いているだけ)の時間が増える
  • それを「うつ様状態」と仮定して、抗うつ薬と考えられる物質を与え、無動時間が短くなれば効果があると判断する
  • 尾懸垂テスト:動物の尾をつるしたときに動いている時間を抗うつ薬は長くする.動かなくなった状態を絶望状態と考える.
  • 学習性無力:動物をフットショックから逃れられない状態下に長い間置いた後,逃げる意志があればフットショックから逃れられる状態下に置く.抗うつ薬はフットショックから逃げるまでの時間や失敗回数を減少させる.
  • 慢性軽度ストレス:動物を繰り返し様々なストレス状態下(低温,明暗サイクルの変動,フットショック,拘束など)におくと,ショ糖要求性や性的行動が減少する.マウスでは再現性を得るのは難しい.
  • 社会的ストレス:動物を様々な社会的ストレス状態下(優位なオスの近くに置いたり,天敵の匂いをかがせるなど)におくと,行動異常が起こる.マウスでは再現性を得るのは難しい.
  • 嗅球摘出:嗅球を摘出すると行動異常を起こし,抗うつ薬で改善する.
  • 早期ストレス:生まれてすぐに母親から分離すると行動異常を起こし,成体になっても視床下部-下垂体-副腎の系が亢進する.表現型のいくつかは抗うつ薬で改善することがある.
  • 恐怖条件付け:電気刺激と音(手がかり)もしくはケージ(文脈)などの組み合わせを経験すると,手がかりもしくは文脈だけで不安様の反応を示す.
 
 

 

 

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