なぜ私たちは利害関係のある人々の発言を引用するのか。人の疾患の動物モデルについて動物実験に利害を持つ人々はなんと言っているのでしょうか、そして私たちはなぜ彼らの発言を引用するのでしょうか。利害関係グループ科学には社会的地位のヒエラルキーがあります。科学的理論により研究と検証は最も尊重されます。これは方法論や認識論も含みます。アインシュタインが予測した多くのことは、実験のない理論に基づいていました。アーサー・エディントン卿は、「理論で立証されるまで、観察上の結果に対し、信頼をあまり置かないことはよいルールです」と述べています。 (as quoted in Lafollette and Shanks. Brute Science Routledge 1996 p 19) 理論を反芻するもしくはサポートするための観察や抑制された実験から得られる事例は、2番目です。専門家によって発表された声明は、大きく差の開いた3番目になります。もちろん例外はあります。ニコチン中毒の場合、ニコチン中毒の理論を支持する多くの制限された実験(#2)がありました。しかし、タバコ業界(利害関係グループ)からのメモがリークされた際、議論は終わりました。誰もがニコチンに中毒性があることを認めました。 AFMAは、動物実験に利害関係を持つ個人及びグループの発言を頻繁に用います。さらに、動物実験が人間のためになるかどうかを決定する場合、私たちは理論と常識に頼ります。動物実験の圧力は、医学の進歩が全て直接動物実験のおかげであると、人々に確信させるため、何百万ドルもの大金を毎年費やしています。 このような意見は、American Physiologic Society(アメリカ生理学ソサイアティー)、医学研究のための財団、とりわけ医学進歩のためと言う個人の出版物に見ることができます。もちろん、事実はこれらの突飛な主張を支持していません。動物実験をサポートする強い主張は、利害関係をもつ人々の努力から見つけることができます。 しかし、そんな実験で生計を立てている間でさえ、多くのそのような個人は、動物実験の詭弁を認めています。私たちは誰を信じたらいいのでしょうか? 理論と常識は、動物実験の利害関係を無視し、利害関係者の家族を扶養するための、まさに不経済で無駄なシステムに反対する研究者によって発表される意見に信頼を置かざるを得ません。そのような発言は豊富にあります。もし、その状況に利害関係のある誰かが反対を唱えたら、それらの発言は他の者が支持するよりも信頼できます。もし政治家がうそをついたことを認めるか、タバコ会社CEOがニコチンが中毒性である事を認めれば、彼らの純利益もしくは評判を高めるための声明よりも、信頼できると確信しています。私たちが用いる多くの意見、声明は、個人が引用されても安全であると考えた場合、発表されます。しかし、プライベートな発言は、広告で言われることより更に信頼できます。私たちの引用文全ては、私たちが正確に引用していることを確認するために出典を記してあります。引用された多くの人々は、別の場、あるいは同じインタビュー内ですら、動物実験は価値ある試みであるという発言しています。AFMAは、これらの個々の人々が動物実験を全面的に支援することを否定しません。また、タバコ業界がニコチンの中毒性を否定する発表を数多く行ったことも否定しません。彼らは何千もの発表を行いました。しかし、ニコチンの中毒性を認めるひとつのメモがメディアにリークされた時、それを否定するほかの全ての発言は未解決でした。したがって、私たちは利害関係グループの発言を引用します。 ↓Medication Testing薬物試験についての引用 ↓Birth Defects先天性欠損症についての引用 ↓動物モデルについての引用① ↓動物モデルについての引用②↓感染性の病気についての引用 Medication Testing薬物試験どんな物質に対しても、代謝、レスポンス、副作用は種の間で異なります。「過去10年間でFDAに承認された全ての新薬の半数以上が、動物実験では認知されなかった副作用によって回収されるか表示の書き換えがなされています。」 Official Federal Report FDA Drug Review「わたしの以前の先生であるアレキサンダー・フレミング氏は晩年、私をこうたしなめました。「1940年代にこの動物実験を行なわなくて本当に幸運だった。もし行っていたらペニシリンはおそらく二度と許可を受けないだろうし、抗生物質の全ての分野は認められていなかったかもしれない。」Professor Dennis Parke as quoted in ATLA 1994;22:207-209「今日、 毒性学の課題や習慣は、宗教の卓越や影響を促進しています。さらに、毒性学崇拝の確立された形式は州より活発的に支援されている。それ自身の要領と戒律を持ち、司祭、崇拝者、支持者、見習いといった階層を持つ。さらに、宗教のように、道理の前に信仰に依存している。」P. Botham and I. Purchase in New Scientist May 2, 1992「 人間の唯一の普遍的モデル(すなわち科学的構造や集団などの十分な範囲にわたって与えられた最終ポイントで何が起こるか予測する最も優れたモデル)は、人間でである。」Gad, Shayne C. and Chengelis, Christopher P. Acute Toxicity Testing Academic Press 1998 p4「・・・ヒトと動物の毒性データで、副作用の相関関係における最善の推測値は、5~25%の間である。」Dr. Ralph Heywood, director Huntington Research Center (UK) 1989Birth Defects先天性欠損動物実験で奇形起因になる化学薬品は、ヒトにとっての危険性を示すかもしれないし、示さないかもしれない。また、否定的な結果はリスクの欠如を正確には意味しない。Fraserはその点をとても的確に述べている。「・・・化学薬品がヒトにおいて奇形起因になるかならないかという最終的な証拠は、ヒトで試される」Schardein, J. L. Chemically Induced Birth Defects Marcel Dekker Inc. 1993 p37「 動物実験の結果に対する無批判の信頼は、危険な誤解を招きやすくなり、Ciba Geigyのクリオキノールのスキャンダル、Distra Products Ltd.のOprenによる災害、またはICIのEraldinによる大災難のように何万人もの人間の健康と命を脅かす事になる。そのような異種間の反動における逆作用は、相互にある:ヒト以外の種では有害であるあるいは効果がない薬品が、ヒトにとっては無害であり、有効である場合がある。例えば、ペニシリンは、人間によって一般的によく受け入れられるが、モルモットでは致命的である。アスピリンは、猫、犬、もるもっと、ラット、マウス、猿で催奇形物質になるが、頻繁な消費にもかかわらず人間の妊婦にとってはもちろんそうではない。10,000人の子供に障害をきたしたサリドマイドによる先天性欠損症は、ラットや他の多くの種では引き起こされなかったが、霊長類でのみ起こった。多くの実例で論拠になってきたことであるが、近い系統発生学的関係もしくは解剖学的一致は並列の生理学的作用の真に信頼できる特徴にはなりえないことを、過去は繰り返し示してきた。(しかし、そのような相似性を「予測」することは非常に困難である。)Handbook of Laboratory Animal Science Volume II Animal Models Svendensenand Hau (Eds.) CRC Press 1994 p4General-動物モデル一般ウイルスの感染経路と徴候は種の間で大きく異なる。「人のリスクの数値的評価は、動物の良いデータに基づいたとしても、科学的可能性の範囲を軽く超えてしまうようだ。・・・数値の外挿において現在使用されている薬品作用モデルは、生物学から非常にかけ離れている。・・・現在の技術の状態で、動物実験による人のリスクの量的評価をすることは、科学的メリットがほとんどない。有効な外挿法は、生物学的事実に根ざした、または理論を無視した実地経験主義のデータに対する注意深くテストされた、数学モデルに基づくものでのみ可能である。」Freedman, D and Zeisel, H in Statistical Science 1988;3:1-2, 3-56「ある種から別の種への外挿の有効性に、信頼できる一般的ルールを与えることは不可能である。・・・ターゲット種(ヒト)にはじめて試用した後でのみ、確認することができる。・・・動物モデルからの外挿は、常に、後になってから判断しなくてはいけない問題が残る・・。」Greenwald, Robert A. and Diamond, Herbert S. (Eds).CRC Handbook of Animal Models for the Rheumatic Diseases Vol. I CRC Press 1988 p 169「不運な事に、リューマチ性疾患の研究のために最適なヒト以外の動物モデルは存在しない。」-Greenwald, Robert A. and Diamond, Herbert S. (Eds). CRC Handbook of Animal Models for the Rheumatic Diseases Vol. I CRC Press 1988 prefaceJ.M.Neuberger医師はこう述べています。「PBC(胆汁肝硬変)の動物モデルは、納得できるような証拠を提示できていない」Horizons in Medicine No. 6 Blackwell Science Ltd p84犬にnitrosourethaneを与えると、人で見られる肺損傷のいくつかのタイプに似た肺損傷を引き起こします。しかし、動物実験者は「nitrosourethaneで起こる肺損傷のメカニズムは解明されていないため、そのモデルはヒトの損傷にたいし、病因の関連性は知られていない。」と述べています。Cantor, James O. (Ed.) CRC Handbook of Animal Models of Pulmonary Disease Vol. 1 CRC Press 1989 p69「肺線維症の研究のために、げっ歯動物で確立されているモデルが多くある。多くの研究者が現在、選択モデルとしてこの目的のために、酸素の補足ありもしくはなしで、気管内に注入されたブレオマイシンを使用する。[正確のモデルと言わない事に注意して下さい]ブレオマイシン モデルは、使用するのに単純で、便利な動物モデルだ。しかし、他の動物モデルは、専門化された環境でもしくは特殊な目的のために開発され、試験されるために継続している。そして、げっ歯類動物モデルは、臨床的に直面するようなヒトの疾患の正確な相似器官であるとは考えられない。」Cantor, James O. (Ed.) CRC Handbook of Animal Models of Pulmonary Disease Vol. 1 CRC Press 1989 p151「ヒト肺気腫の生態生理学及び生化学を完全に模倣したモデルは存在しない。」Cantor, James O. (Ed.) CRC Handbook of Animal Models of Pulmonary Disease Vol. II CRC Press 1989 p23酸素の高濃度が肺を破損する場合があるという事実は、ヒトの観察から何十年間も知られている。肺疾患の動物モデルのハンドブックで、著者は以下のように述べています。「肺の酸素毒性 の動物モデルの有効な利用は、異種、同一種、高酸素症の肺の反応における年齢に依存する変化の認識を要求する。」Cantor, James O. (Ed.) CRC Handbook of Animal Models of Pulmonary Disease Vol. 1 CRC Press 1989 p4「エンドトキシン血症のいくつかの動物モデルは開発され、その多くはエンドトキシン(菌体内毒素)の相対的に高い服用量を利用し、エンドトキシンが引き起こした組織的ショックのモデルをあらわす。エンドトキシンに引き起こされた拡散した肺損傷を発達させるこれらの動物のいくつかの能力は、疑わしい。」Cantor, James O. (Ed.) CRC Handbook of Animal Models of Pulmonary Disease Vol. 1 CRC Press 1989 p31「・・・ほとんどの研究者は、他種の哺乳類ではじめに作られた人に関連した最終的な証拠が、ヒトのシステムの直接試験を要求する事に賛同する。」Galli and Lantz in Paul, William E. Fundamental Immunology Lippincott-Raven 1999 4th edition p 113「大きく異なる動物とヒトは、II抗原を分類する上で、血管の肉皮細胞において本質的に示され、げっ歯類の肉皮細胞の一致は、MHCクラスII分子を示さない。」 「臨床薬で、経験上の問題を確定するであろう実験システムはない。」Paul, William E. Fundamental Immunology Lippincott-Raven 1999 4th edition p1213 & 1220「これらの突然変種マウスの多くは、現在認識されているヒト免疫不全疾患に相当するものを持っていない。」再び、科学はマウス内に発病させることができるが、人間が苦しむ病気とは無関係です。彼らは更にこう続けます。「従って、未知の(ヒトの)疾患を解明するために、これらの動物を使うことには限界がある。」Paul, William E. Fundamental Immunology Lippincott-Raven 1999 4th edition p 1429「サイクロスポリンの免疫効性効果は・・・種の間で相当異なり、人臓器移植での使用に関して作られるかもしれない直接的推論を制限する・・・」Annals of Internal Medicine 1984, vol101, 667-682「 [人間でのじっけんの]この欠乏は、多くの誤解を促進し、行なわれる研究方法を神話化することを助け、動物で行われている全ての実験の誤った考えへ人々を導く。しかし、結局、ヒトは被験体にならねばならず、動物での実験からヒトでの実験への飛躍は常に大きい。」Who Goes First? The Story of Self-Experimentation in Medicine p10「多発性硬化症で苦しむ世界中の260万人の人々に、薬は安心感よりフラストレーションを与えた。何度も研究者は、人に治療をもたらす事で障害に直面するためだけに、実験で引き起こされた脳脊髄炎の実験ラット(多発性硬化症のげっ歯類モデル)を治療する新しい方法を発見した。Scientific American 1993;268:81-82「糖尿病(IDDM)の動物モデルはこの病気の完全なモデルではない;したがって、種々様々のモデルが使用され続ける。」 McNeill, John H. (Ed.) Experimental Models of Diabetes CRC Press LLC 1999 p 225ANIMAL MODELS – GENERAL 動物モデル – 全般記の引用は、一般的に支持されている動物モデルに関するものである。利尿薬の降圧作用は、正常血圧の動物には認められず、高血圧のラットやイヌでも認め難い。同様の問題は、β遮断薬の降圧作用にもあてはまり、心不全治療におけるphentolamine・prazosin・hydralazineの有効性も、実験動物モデルでは、ほとんど確認されていない。また、phenylbutazoneの抗リューマチ作用については、実験上の様々な炎症に対して相当量の投薬が試みられているが、動物とヒトでは薬物動態が異なるため、その作用は明らかではない。さらに、chloroquineやpenicillamineの抗リューマチ作用についても、実験においては同様である。加えて、片頭痛に対するclonidineや、尿崩症に対するサイアザイド利尿薬の効果も、同じ事が言えるだろう.. 「薬物の有効性において、多数の臨床前の(動物)実験または実験モデルでの結果による予測は、とても確実とは言い難く、単に実験の数を増やしても改善されないものと考えられる。」Prof F Gross, in the book The Scientific Basis of Official Regulation of Drug Research and Development, ed. De Schaepdryver et al, p 18-20, 1978.;「実験で取り上げられる疾患として、高血圧・胃潰瘍・関節炎・痙攣があげられるだろう。しかし、これらすべての動物実験は、ヒトの疾患と表面的には類似しているが、実験に用いられる動物では、それらの「原因」が、あらかじめ解っている点で、実際の疾患とは異なっている。このようなアプローチからは、全く斬新な薬を発見することが非常に困難であり、これらの疾患モデルは医薬の研究者の出発点となる指針を与えるものではないのである。」Prof D R Laurence, Professor of Pharmacology Therapeutics at the School of Medicine, University College, London, and Dr J W Black, Director of Therapeutic Research at the Wellcome Foundation Ltd, UK, in their book The Medicine You Take, publ. Croom Heim, London, p 106, 1978.「...疾患の大多数については、動物モデルが存在しないか、又は存在しても実際には非常に貧弱なものである。一般に用られている動物モデルでの反応がみられないという理由から、有効な薬を見落としてしまう危険性がある。」Prof Colin Dollery, Hammersmith Hospital, London, in the book Risk-Benefit Analysis in Drug Research, ed. Cavalla, p 87, 1981.「いくつかの疾患の動物モデルは、研究に利用可能であるが、多くの場合、ヒトでの疾患において、どのくらい適切であるかは疑わしい。特に大多数の疾患モデルでは、遺伝子欠陥および繁殖の点から、げっ歯類が好んで使用されている。非常に多くの研究で、動物モデルとして、Battleboroラットや高血圧自然発症ラットが用いられているが、ヒトでの疾患における、これらの動物の適性については疑問が残る。」 Dr Alison Brading, of the Department of Pharmacology, Oxford University,writing in The Physiological Society Magazine, no. 12, p 18-19, February 1994.Infectious diseases伝染性の病気ウイルスの感染経路と徴候は種の間で大きく異なる。「ある病気の誤解を招きやすいサル実験モデルに基づいた、人における病気の性質の概念に誤りがあるため、予防薬(ワクチン)の研究は大きく遅れた。」 nventor of the polio vaccine, Albert Sabin MD. Statement before the subcommittee on Hospitals and Health Care, Committee on Veterans Affair's, House of Representatives, April 26, 1984 serial no. 98-48「ひとは、遺伝多様性を制限する伝染性のプロセスをモデル化するための、実験動物の利用には多くの限界があることに気づかなくてはならない。;ひとは、特定の病原体の単一もしくは少数の損傷での、ほぼ同質遺伝子型ホスト(宿主)のグループにおいて作られる情報が、(人間の患者に)見られる実際の疾病プロセスを表わすとは限らないことを認識する必要がある。ほとんどの動物モデルは人間の伝染病の正確な複写ではありません。」Handbook of Animal Models of Infection Academic Press 1999 P9, 10「まさにこの日まで、全ての人間に作用する感染症は、適切な動物モデルを持つには程遠く、そのような伝染病が起こりうる場合においてさえ、動物と病気の進路で観察される徴候は、人間が遭遇する徴候とはまったく異なるものである場合が多い。」Handbook of Animal Models of Infection Academic Press 1999 P7 「伝染の理想的動物モデルは、人間の治療のための結果の予測を可能にするデータを提供するだろう。様々な理由のために、この理想は、到達することが難しい。実験動物中の抗生物質の薬物動態速度は、しばしば人間のものとは著しく異なる。これは吸収、分配、新陳代謝および排泄の差の結果である。」Handbook of Animal Models of Infection Hendrickson博士は、1992年にこう述べています。「ワクチンの有効性における既存の動物モデルの多くは、人為的なものであり、不完全だという暗黙の同意の元にあり、そのほとんどが、ワクチンに引き起こされた人間の免疫を保護することになるとは限らないという事実は、あまりにも多く見落とされている。従来の(動物)実験の多くは、参考標本の使用やこれらの実験との関連にもかかわらず、 大変変動的であるLab Animal March 1994, p24-30コッホ自身でさえ述べています。「動物実験は、人間での同様の実験結果の確かな兆候をもたらさない。」Report of the Second Royal Commission on Vivisection, 1906-1912, p31 クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article動物の権利・動物愛護に関する衆議院議員選挙候補者アンケート2014 Next ArticleフランスのファッションデザイナーLolita LempickaがフォアグラにNO IGP認証のフォアグラ農場の実態を暴露。 2014/12/13