ヘアカラーメーカーのホーユー株式会社(本社:名古屋市。1905年創業)が2014年に設立した「ホーユー科学財団」が行っている研究助成で、化粧品・医薬部外品分野の申請において、動物実験を行う研究を選考対象から外し、助成しないこととしたと、アニマルライツセンターなど3団体で構成するCruelty Free Beauty(美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会)に対し明らかにしました。今年7月からの新しい募集要項には「当財団では化粧品(医薬部外品を含む)開発における動物実験廃止に向けた取り組みを奨励しております。化粧品・医薬部外品分野に関連ある動物実験を含む申請研究については、当財団の方針に合致しているかも合わせて審査させていただきます」と記載されています。この方針は、今年6月の同財団理事会にて決定されました。 募集要項では、化粧品・医薬部外品分野のうち、[皮膚科学に関する研究]において「安全性試験の動物実験代替法に関する研究」も募集テーマの一つとして掲げられています。 2021年度の研究助成募集(募集期間は2020年7月1日~9月30日)からこの条件が適用されます。なお、助成の対象となる研究分野は、化粧品・医薬部外品分野のほか、医薬品分野がありますが、医薬品分野では上記の条件は適用されません。 EUなど化粧品の動物実験を禁止する国や地域が増加傾向にあるなか、動物実験に代わる新しい試験法(動物実験代替法)の研究開発が進められています。化粧品企業による動物実験代替法の研究開発への助成制度として、Lush Prize(ラッシュプライズ。2012年~)、マンダム動物実験代替法国際研究助成金(2007年~)がありますが、化粧品そのものの研究への助成に際して動物実験を行わないことを条件に設定しているのは、他に花王株式会社が設立した「花王メラニン研究会」などがあります。企業が動物実験を廃止するだけでなく、研究助成を目的にした財団等においても、このような動きが広がっていくことを期待します。 なお、ホーユー株式会社については、現在、CFBとの間で動物実験の廃止に向けて前向きな対話を継続していただいています。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article無添加のシフォンケーキ、キミシフォンはケージフリー Next Articleコロラド州もケージ飼育の卵生産・販売禁止、飼育面積拡大やエンリッチメントも 2020/07/03