東京オリンピックが最低な調達基準だったのに対し、もう数日で開幕するパリオリンピックの調達基準は、やはりというべきか、高いアニマルウェルフェア、高い持続可能性を実現しようとしている。パリオリンピックの調達基準:動物に関連する基準のみ解説する。動物性食品は半分以下に削減されるすべての提供される食事において、チャーターが署名された初年度と(2017年※)比較して、動物性食品(肉、魚、乳製品、卵)を少なくとも50%、可能であれば60%削減すること、そしてすべてのケータリングサービスにおいてバランスの取れたベジタリアンメニューを系統的に含むこと(皆に共通のセットメニューが提供される場合を除く)とされ、動物性食品が半分以下に減ることが約束された。※チャーターが署名された初年は2017年観客向けの飲食店では、販売される食事の少なくとも60%がベジタリアン向けとなる、ただし卵や乳製品はベジタリアンメニューに含まれている。例えば、3種類のベジタリアンサンドイッチや温かい料理と冷たい料理、さらに2種類の肉または魚を含むものが提供されるという。(ただし、サッカーイベントを開催するスタジアムでは少なくとも40%がベジタリアンフード)目標:販売されるサンドイッチや温かい料理と冷たい料理の合計の60%がベジタリアンとなることと定められた。アニマルウェルフェアが担保されている肉はフランス産と限定されており、つまりEUの基準も満たしていることを示している。同様に豚肉は妊娠ストールフリー(分娩前1週間種付け後1ヶ月を除く)であることも保証される水産製品は、すべて持続可能性に配慮するための認証が必要とされている。MSC, ASC, LR, organic, etc. labelsとされている。「提供される魚の30%が、十分に豊富でストックが回復する可能性のあるあまり消費されていない種であることを確保する。」とされており、クロマグロのような絶滅の危機にある種は間違いなく排除される。卵(卵・卵ベースの食品)は、100% free-range eggs=100%放牧だ。さらに!「All eggs produced using in-ovo sexing technology to put an end to the culling of newly hatched male chicks=すべての卵は、孵卵中に性別を判別する技術を使用して生産され、生まれたばかりのオスのひよこの殺処分を終わらせる。」と規定された!パリオリンピックの卵は、オスひよこの犠牲がない!乳製品は、Protected Designation of Origin (PDO)を取得したフランス産のものに限定されている。この基準は、伝統的な飼育方法の定義がはっきりしないが、自由に動き回れる環境であることは保証されている。日本の乳製品が繋ぎ飼いで拘束飼育であるのに対して、大きな違いだ。悪い側面もあるとはいえ、もちろん完璧ではない。フランスと言えばフォアグラという珍味を抱える国であり、これを提供することが批判の的になっている。アスリートの調査では20%がフレキシタリアンで5%がベジタリアンまたはヴィーガンアスリートのダイエットを調査しており、これによると、雑食が70%、フレキシタリアンが20%、ベジタリアンまたはヴィーガンが5%だそうだ。つまり、肉魚卵を食べないアスリートは25%だ。負のレガシーを残した東京五輪さて、東京オリンピックを振り返ってみよう。持続可能な調達基準と言いながらも国際的には劣るJGAPを日本独自でつくり、これで良しとした。このJGAPは現状の畜産農家のほとんど誰もが取得できる程度のレベル(アニマルウェルフェアに関して)の飼育である。ケージフリーは基準に一切入らなかったため把握すらされなかった。妊娠ストールフリーも同様に把握すらされていない。東京都は「アニマルウェルフェアという言葉が入った」ことを自慢気に語ったが、中身はなかった。あとから業者などの話を聞くと、ケージフリーだと言われればできなかったわけではないようだ。もちろん騒然とするだろうが、調達基準の策定から3年もの猶予があり、量的に賄えないものではなかった。さらに、東京五輪でもベジタリアンヴィーガンメニューはあったものの、持続可能性のために動物性食品を減らすという目標はなく、単にニーズが在るから対応せざるを得ないという程度で導入されていた。オリンピックときくと、物悲しい気持ちになるのは、東京五輪がアニマルウェルフェアという側面でも(おそらく汚職やら廃棄物やらの側面でも)失態に終わったからなのだろう。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article世界のケージフリー卵の割合:米国はついに40%超え! Next ArticleアニマルライツチャンネルVol55[屠殺] 2024/07/21