相変わらず日本の鶏肉のリスクは高いままである。
2025年にJournal of Veterinary Medical Scienceに掲載された帯広大学教の佐々木貴正教授の研究によると、日本で真空パック詰めされた鶏むね肉86.4%からサルモネラ菌が検出されたという。前年に掲載された研究でも85.2%であった。
これは他国の割合と比べると有意に高い汚染率だ。2020年以降のものに限定してみてみよう。(※日本の研究と同様のスーパーマーケットで売られている鶏肉に限定したため、一部の国に限られる。小売などと書かれているものも加えた。過去内は発表年)
- 米国:8.6%(2022年)
- 中国:36.7%(2020年)、53.3%(2021年)
- 韓国:36%(2022年)、17.5%(2023年)
- メキシコ:27.2%(生鮮市場は9%)(2020年)
- ブラジルの小売市場:46.1%(2023年)
- タイの市場:36.2%(2020年)
- 感染ハイリスク地域ということで研究対象になったタイとラオスの国境にある市場:56%(2021年)
- 欧州は近年は10%未満で推移している(域外からの輸入品除く)ため割愛する
86%が異常な数値だとおわかりいただけただろうか。
他の日本の研究では以下のような数字を出しているものもある。
いずれにしても高い数値であり、多くの研究はサルモネラ菌の汚染率とともに薬剤耐性をみているのだが、のきなみ、薬剤耐性をもったサルモネラの割合も高い。また、西日本の汚染率がより高いことも明らかになっている。
アニマルウェルフェアのあの地もないような高密度な飼育をしている日本の鶏肉産業。ひとびとの安全性も脅かし続けている。