保護猫カフェねこかつの梅田達也代表からの寄稿です。現在、沖縄県がパブリックコメントの募集を行っています。「沖縄島北部における生態系保全等のためのネコ管理・共生行動計画(案)」に対する意見の募集について/沖縄県10月3日(月)~11月2日(水)17時までの期間です。沖縄島北部における生態系保全等のためのネコ管理・共生行動計画(案)です。「沖縄島北部における生態系保全等のためのネコ管理・共生行動計画(案)」に対する意見の募集について/沖縄県www.pref.okinawa.jp内容を読んで意見を送っていただきたいと思います。要約すると野良猫は沖縄北部のヤンバル地域にいてはいけない。この先10年間ですべて捕獲し殺処分を含め処分するということのようです。ちょっと読んでみます。『ずっとやんばる ずっとうちネコ アクションプラン』だそうです。ひらがないっぱいにして字面をやさしい印象にすれば、中身の残酷さを誤魔化せるとでも考えているのでしょうか?主体は、沖縄県 国頭村 大宜味村 東村、そして環境省沖縄奄美自然環境事務所だそうです。 目次を開くとお題目のようなことが書いてあります。その中にこうあります。(人と猫との)「共生」とは、「ネコを適正飼養することにより生態系に悪影響を与えずに人とネコが共生すること」だそうです。その下に「適正飼養とは、・・・完全室内飼育を前提とし」とあります。つまりここでいう「共生」とは完全室内飼いの猫のみが対象で外猫の生存権は一切認めていません。一般の感覚の「共生」とはずいぶんと意味が違いますし、行政や全国各地のボランティア達が使用している「共生」とも明らかに違います。また、このプランの目的の最後の方に「ネコの安全の確保・健康の維持に寄与」とあります。ネコの安全の確保・健康の維持に寄与するために野良猫を捕まえて殺すんですか?この点はまた後ほど。このプランの背景として大きく分けて3つの理由があげられています。① 希少種動物を捕食する② 人獣共通感染症の危険③ 猫の安全確保や健康維持①について希少種を捕食するといったこともたしかにゼロではないでしょう。ただ、それをゼロにする必要はないはずです。絶滅危惧種の保全であれば、数が減らなければいいのですからTNRや里親募集によって野良猫の数が増えないようにコントロールすれば目的達成は可能なはずです。今日に至るまでにヤンバル地域ではすでに多くの猫たちが「ノネコ」という言葉のもと捕殺されてきました。ここ数年はねこかつも含むいくつもの愛護団体が保護していて殺処分はストップしていますし、野良猫の数も減っています。これ以上に性急にことをすすめ処分する必要はありません。あとの2つは付け足しでしょうが、② 人獣共通感染症トキソプラズマ症があげられていますが、ねこかつでこれだけ猫に関わってきてトキソプラズマ症にかかったとか、ましては重症化したなど聞いたことがありません。SFTSは主としてマダニからの感染症です。これらは猫を駆除しなければいけない理由に本当になるのでしょうか?③ ネコの安全確保や健康維持ネコの安全確保や健康維持を理由にしてネコを捕殺する?飼い猫の室内飼育と野良猫のTNRによる個体数減を進めればいいだけです。論理破綻も甚だしいです。笑って欲しいのでしょうか?目標2には「飼い主不明ネコがいなくなること」とあります。これだけ読むともっとものようにも思えますが、これはこのプランのような方法ではなく「殺さずに」達成すべき目標でなくてはいけません。ネコたちの「捕獲後の対応」には以下のように書いてあります。① 飼い主に返還する。 → 当たり前です。② 譲渡を実施する。 → ボランティアはもういっぱいいっぱいです。 「引き取らなければ殺処分しかない」 ので、無理に保護している状況です。③ 飼い主不明ネコについては、捕獲主体が引き取るとともに、「犬及び猫の引き取り並びに負傷動物等の収容に関する措置について(平成18年環境省告示第26号)」の第3及び第4に準じた方法により対応するとあります。4にはこうあります。殺処分と。あくまでも最後の手段のような書き方ですが、ボランティアとの連携もとらずに御上と利益団体のみでこのように性急にすすめると、原則殺処分になることが目に見えています。またこのヤンバル地域の猫の捕獲に年間数千万円という税金が使われいままで何億という税金が利益団体に流れています。「ノネコ」は即殺処分「野良猫」は「ノネコ」とみなして即殺処分できるように制度設計をすべきと主張する「外来ネコ問題研究会」「沖縄島北部における生態系保全等のためのネコ管理・共生行動計画(案)」に対する意見の募集について/沖縄県こんなプランがまかり通ってよいのでしょうか?ご意見を送っていただきたいです。拙い文章でもかまいません。ご自身の言葉で送っていただくのが良いようです。お願いします。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article10月28日 エシカルサミット2022 Next Article近代以前の日本にみる動物との共生 No2〜鳥類と日本人 その1〜 2022/10/22