ウール 全てが残酷

「ウールは動物から毛を刈るだけだからいい」

長らく、多くの人がそう思ってきた。

しかし、ウールはミュールジングという残酷な手技があるだけでなく、その刈り取り自体が悲惨であったことが潜入調査により明らかにされた。

2016年12月、オーストラリア ビクトリア州は、ウールの刈り取りを行う6名の従業員に対し、少なくとも70回以上動物虐待を行なったとして告発。1名がまず有罪となり、2017年2~4月にはさらに4名が有罪となり、2017年5月には最後の一人にも有罪判決がくだされた。

どのような虐待が行われたのか。

大量の動物を扱わなくてはならない現場では、機械のように思い通りには動かない動物はいつでも虐待される。

大量生産の中で、福祉的な扱いを期待すること自体が無理な話なのだ。

事実、過去にも同じように虐待的扱い、虐待的刈り取りが行われていたことが明らかになっている。

この従業員はたしかに悪いが、実際に悪いのはこの羊毛産業のシステムだ。

アメリカは2013年には370万頭の羊の毛を刈らなくてはならなかった。

オーストラリアの70人の労働者で400万頭の羊の毛を刈らなくてはならなかった。

とうてい無理な話だ。

原因は、ウール製品を大量に購入し、しかも安いサプライヤーを探そうとするアパレルブランドと消費者にある。

刈り取るときに動物たちが受ける扱い

刈り取っている最中に乱暴に扱われ、首の骨が折れて死亡

刈り取ったウールと一緒に睾丸と陰嚢が見つかった(一緒に刈り取った)

刈り取りにより皮膚を一緒に刈り取っており、ウールには血がついている

刈り取りを行っている最中に死亡するひつじも毎年毎年発生している

彼は刈り取りを行なった後、立ち上がれず、這って刈り取り場所を脱出している(写真PETA)

間違って刈り取ってしまった箇所は、雑に縫われている。縫うのは獣医師ではない。

また、寒い時期に刈り取ることもあり、寒さのために毎年100万頭が死亡しているとも言われている。

彼らは刈り取られた後、傷だらけ、ぼろぼろな状態だ。

(写真、情報:PETA)

その他の残酷さ

残酷な扱いはそれだけではない。

ミュールジングについてはこちらで説明している。

さらに、麻酔無しで尾っぽをナイフでざっくり切り取る。

また去勢手術も麻酔なしで行われる。これは、子羊が2~8週齢のときにゴムリングで血液を遮断する方法で行われている。

エシカルな選択を

動画を見れば、一目瞭然のウール産業の残虐さ。

この冬は、素材まるごとリサクルが可能なアクリルの温かいセーターを選択するのがいいのではないだろうか。

エシカルな選択を。

あなたの選択によって、彼ら彼女らは、苦しみもするし、救われもする。

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