エシカルと消費をかけ合わせた言葉は、英国のEthical Consumerという団体ができたところから始まったものだ。 このエシカルという言葉は、動物を守るためによく使われている言葉である。以前枝廣淳子氏は、ポートランドの調査について発表したときに、現地の人々はエシカルと聞いて動物保護を連想する人も多かったことを指摘している。アニマルライツセンターの設立理念も、「動物への非倫理的扱いをなくし」としており、中国毛皮産業の実態を明らかにした際は「倫理的消費を求める会」との協業であった。動物の問題はエシカル=倫理と密接であり続けた。エシカル消費は近年日本でも活発になってきている。SDGsをも内包する広く社会を前向きに切り替えていくための言葉として、良いイメージが定着しているように思う。消費者庁も消費者教育の一環としてエシカル消費に力を入れ始めている。しかし、動物の問題はどうやら具合が悪いようだ。強く主張し続けなければ、圧力に負けて、または忖度してか、すぐに抜け落ちてしまう。消費者庁が無料で配布しているリーフレットや、消費者庁が考えたエシカル消費の定義、ポスターからは、動物がスッキリ抜け落ちた。以前から消費者問題特別委員会で動物への配慮を求め続けていた堀越啓仁議員にこのことを訴えたところ、4月6日の委員会で指摘をしてくれた。動物に配慮した飼養であるとか、あるいは屠畜の部分に関して言えば、配慮したものを選んだ方がエシカルなんだよ、倫理的なんだよということを皆さんに知らしめていくのは、これは消費者庁の仕事の一つでありますので、是非推進していただきたいというふうに思う一方で、ちょっと残念なことがあります。それは、消費者庁が啓発資材として使っているリーフレットがあるんですが、「「エシカル消費」はより良い社会に向けた、人や社会、環境に配慮した消費行動のことです。」と先ほど答えていただいたことが記載されているこのリーフレットがあるんですが、ここには、動物への配慮ですとか、アニマルウェルフェア、動物福祉、そうした文言が一切書かれていないし、加えて、それらを連想すること自体が、かなり、どこから連想したらいいのかなというふうなリーフレットになってしまっているんですね。このことについて、動物への配慮が消費者庁が考えるエシカル消費の中に含まれているのか、あわせて、何で動物というワードが入っていなかったのか、理由について答えていただきたいと思います。この指摘に対して消費者庁は、エシカル消費の概念には「動物福祉も当然に含まれる」ことを明言した上で、リーフレットの次回改定時には導入することを検討すると回答した。次回改定がいつになるのかはっきりしないが、次は間違いなく、抜かさないでいただきたいと思う。また井上大臣は、議員御指摘のアニマルウェルフェアについて、エシカル消費の一つのメニューであると考えておりますけれども、なかなか具体的な取組につなげられていないというふうに認識しています。今回の議員の御質問や、また昨今のアニマルウェルフェアをめぐる状況も踏まえて、啓発資材やエシカル消費特設サイトにおいて取り上げることも含めて、具体的に検討してまいりたいと思います。とした。一刻も早く、リーフレットやサイトに取り上げていただきたいと思う。ぜひ皆さんからも要望してください。※動物が全く入っていない啓発資材はこれ消費者庁消費者教育推進課〒100-8958 東京都千代田区霞が関3-1-1 中央合同庁舎第4号館電話番号:03-3507-8800(代表)クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Articleベジフェス2021 畜産が環境に及ぼす影響を知ろう Next Articleアニマルウェルフェアアワード2021を発表! 2021/04/10