動物実験への支持におけるジェンダー・ギャップ:共感と種差別による媒介

The gender gap in animal experimentation support: The mediating roles of empathy and speciesism

Kevin Vezirian, Laurent Bègue

2023/08/31

https://doi.org/10.1080/08927936.2023.2243739

論文概要

 

動物実験に対する支持には大きな性差があり、男性の方が女性よりも動物実験を支持している。しかし、こうした違いに関連する心理的要因についてはほとんど知られていない。我々は、男女のバランスがとれた大規模サンプル(女551名・男454名)を用いた横断的調査を実施し、共感性・社会的支配志向性・種差別における性差が、動物実験に対する態度の性差を媒介するかどうかを検討した。

その結果、共感性と種差別における性差は、動物実験への支持における性差に関係しているが、社会的支配志向性は関わっていないことが示された。さらに統合モデルによる分析では、(生まれつきに備わった)気質的な共感における性差が種差別的な態度と直接関連しており、その結果として動物実験に対する態度と関連していることを確認できた。この研究は、動物実験を受け入れることに対する男女差について新たな知見をもたらし、女性が男性よりも動物実験に反対する傾向が強い理由を説明できる可能性がある。

*自分が所属する集団が、外部の集団を支配し、より優位に立つことを望む度合い

 

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