成人におけるヴィーガン食と代謝機能の健康 無作為化比較試験に関するシステマティックレビューとメタアナリシス

論文概要

 

背景: プラントベース食、特にヴィーガン食に対する関心は世界で高まりつつあり、こうした傾向は倫理や健康、環境に関する懸念によって後押しされている。バランスのとれた様々なヴィーガン食は、最適な健康状態を実現して維持する上で大きな役割を担う可能性があり、特にメタボリックシンドロームに対する食事療法では重要である。

研究の範囲と方法: このシステマティックレビューでは、これまでに発表されたランダム化比較試験を検証し、厳格なヴィーガン食がメタボリックシンドロームで見られる過体重や糖尿病、脂質代謝異常などに及ぼす影響を明らかにする。関連文献を抽出するため、4つのデータベース(Cochrane Central Register of Controlled Trials・ Ovid Embase、Ovid Medline・Scopus)を用いて包括的に検索した。2013年から2024年までに発表された研究論文を対象とし、特に「ヴィーガン」および「メタボリックシンドローム」と関連する医学用語を用いて検索した。2名の研究者が独立してデータを抽出し、研究の質を評価した。

主な知見と結論: 抽出された研究論文は4094件で、このうちレビューの対象となったのは11件の無作為化試験を扱った論文18件である。過体重・糖尿病・脂質代謝異常など、メタボリックシンドロームの構成要素に関する分析から、ヴィーガン食では体重が大きく減少することが明らかになった(−10.37 kg;95 % CI:[7.07, 13.67]; p < 0.00001)。同様の改善は、BMI (−2.68 kg/m2; 95 % CI: [1.87, 3.85]; p < 0.00001), LDL コレステロール (−0.44; 95 % CI: [0.40, 0.48]; p = 0.0001)、総コレステロール (−0.42 mmol/L; 95 %CI: [-0.73, −0.12]; p = 0.007)、HbA1c (−0.17 %; 95 % CI: [0.01, 0.32]; p = 0.04) でも見られ、こうした効果はメタボリックシンドロームおよび2型糖尿病を有する人で最も顕著であった。

これらの改善効果を媒介する理由として、ヴィーガン食では満腹感が強まること、飽和脂肪酸の摂取量が減少すること、インスリン感受性が改善すること、腸内細菌叢を調節する作用があることなどが考えられる。しかし、中性脂肪とHDLコレステロール、血圧については一貫した効果は認められず、一部の検査項目では大きなばらつきが見られた。

全体として、ヴィーガン食は心代謝系のリスク管理における持続可能な非薬物療法として有望であり、既に心代謝機能障害を有する人では特に大きな効果を期待できる。

 

原文タイトル:The green plate effect: Systematic review and meta-analyses of vegan diets and metabolic health in adults- findings from randomized controlled trials

論文著者:Wai-Kit Tow, Aaron Deming Looi, Vijayakumar Nithusharini, Kavitha Lakshmipathy, Uma Devi Palanisamy, Usha Sundralingam

公開日: 2025/08/14 

論文URL:https://doi.org/10.1016/j.tifs.2025.105227

別のFACTを探す