論文概要
畜産において動物がどれほど苦しんでいるかという認識は、近年において高まりつつある。しかし、犠牲となっているのは動物たちだけなのだろうか? 米国で年間に何億頭もの動物に由来する製品や動物の体の一部を販売するためには、誰かがその動物たちを管理しなければならない。動物を殺すためには誰かが必要なのである。そして、これらの動物たちがビニール包装され、スーパーマーケットの棚に整然と並べられる前には、誰かが動物の体を解体しなければならない。
一つの産業といえるスケールでこのようなプロセスが実際に行われているということは、数百から数千頭もの動物たちが、排泄物の悪臭を放ち、人間にとってバイオハザードとなるような畜舎の中に詰め込まれているということを意味する。屠殺場では危険なほど速い流れ作業が要求されており、動物を殺し、その体を繰り返し切断することのみに専念するという、極度の緊張を強いる仕事もある。当然のことながら、このような仕事は好ましいものではなく、これに従事する労働者は、絶望的になっていたり、他に選択肢がなかったりすることが多い。
本稿では、畜産業で働く労働者の3つの主なカテゴリーを分析するとともに、こうした人々がなぜ法によって守られて来なかったかを検証する。そのような労働者の3つのカテゴリーとは、移民と囚人、そして子どもたちである。畜産業においてこれらの労働者がそれぞれどのように搾取されているのか、その特徴的な方法を探り、いかにして法律が―あるいは法律がないことが―これを可能にしたのか、そしてこれから何を改めればこうした人々からの搾取を防ぐことができるのかについて述べる。
Caitlin Kelly
2024/04/04
Exploited: The Unexpected Victims of Animal Agriculture