アイデンティティと食習慣:政治・宗教・社会階級と菜食主義

論文概要

 

プラントベース食が政治的党派や社会階層、宗教への帰属意識とどのように結びついているかを検証した。米国の参加者を対象としたオンライン調査を実施し(研究1: 287人、研究2: 290人)、どのような集団が菜食主義に関連していると考えているか、どのような食生活を実践しているか、肉類を使わない食生活を実践する人々をどのように見ているかについて訊ねた。

予想されたように、菜食主義は共和党支持者よりも民主党支持者とより強く関連し、保守層よりもリベラル層、下層階級よりも上流階級、キリスト教徒よりもキリスト教徒でないグループとより強く関連していた。自分が共和党支持者やキリスト教徒であると考える人々では、民主党支持者やキリスト教徒でない人と比べると、肉類を使わない食生活を実践する人々に対する認識はより否定的であった。

菜食に対する認識と菜食を実践することの間には乖離が見られた。こうした傾向は社会階層について比べた場合に最も顕著であり、(菜食を実践する人が下層階級よりも上流階級で多かったのに対し)菜食に対する認識は、異なる社会階層の間で違いは見られなかった。集団への帰属意識と菜食主義に対する態度の関係を媒介しているのは、社会的支配志向性*と種差別主義であった。

これらの結果は、社会的アイデンティティ理論の考え方に合致するものであり、ヴィーガン・ベジタリアンのように食習慣に関連した集団に対する固定観念が食に関する規範に影響を及ぼすことを示している。また、ヴィーガン・ベジタリアンはその帰属意識に一致した食生活を実践しているが、こうした人々を支持するかどうかは、どのような集団に帰属しているかという意識によって影響されている。食習慣に関する規範と社会的な帰属意識は結びついており、プラントベース食を推進するための戦略を考える上で考慮する必要がある。

* 集団間の格差や序列を好む程度を表す概念

 

原文タイトル:Identity and diet: Politics, religion, social class and vegetarian diet

論文著者:Craig Johnson, George Schreer

公開日: 2026/02/28 

論文URL:https://doi.org/10.1016/j.appet.2026.108519

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