機械学習アルゴリズムは、有蹄類の鳴き声から感情を予測できる

Machine learning algorithms can predict emotional valence across ungulate vocalizations

Romain A. Lefèvre, Ciara C.R. Sypherd, Élodie F. Briefer

2025/02/21

https://doi.org/10.1016/j.isci.2025.111834

論文概要

 

動物の鳴き声は状況に応じて変化し、動物の感情を迅速に計測する指標となる。感情を表現する鳴き声が進化を通じて保存されてきたとすれば、異なる動物種の間でも同一の音響学的指標のセットを使って(鳴き声と感情の関係を)直接比較できるはずである。

本研究では機械学習アルゴリズム eXtreme Gradient Boosting [XGBoost] を用いて、7種の有蹄類(牛・羊・馬・モウコノウマ・豚・イノシシ・ヤギ)がさまざまな状況においてポジティブ(快い)とネガティブ(不快)な感情価を示すために発するコンタクトコール*を識別した。

精度を89.49%とした場合(バランス精度 83.90%)、感情価を予測する最も重要な要因は、鳴き声の持続時間・エネルギー四分位数・基本周波数・振幅の変調を反映する音響変数であった。

このアプローチは感情のコミュニケーションに関する分野では極めて重要であるが、ヒト言語の起源と感情の関連を解明する上ではさらなる情報が必要である。これらの結果はまた、動物福祉をモニタリングするための自動化ツールを開発するために利用できる可能性がある。

* 動物が仲間と連絡を取り合うために発する音声で、特に個体識別や群れの位置確認、警戒などに使われる

 

別のFACTを探す