フィンランドの酪農業者がアニマルウェルフェア推進技術を採用する際の促進要因と制約

Enabling factors and constraints for the adoption of animal welfare-enhancing technologies among Finnish dairy farmers

Kallioniemi, M. K.; Kym?l?inen, H.-R.; Niemi, J. K.

2024/02/26

https://doi.org/10.3389/fanim.2024.1332525

論文概要

 

フィンランドにおいて酪農生産の再編は、商業農場における経営規模と生産能力の拡大をもたらした。これと同時に畜産業界は、畜産動物の福祉増進に対する大きな期待と圧力に直面している。多くの酪農農場では最新技術に投資しており、例えばロボットによる搾乳の割合は2019年までに41%上昇した。

我々の目的は、計画的行動理論に基づく調査方法を用いて、アニマルウェルフェア向上のためのソリューションとなる技術を採用する場合に、酪農家の意欲を制約する要因を探ることである。ある技術を採用するかどうかの決定は、農家の態度、農場特有の制約、信頼できる情報源から提供される情報などに影響される総合的な問題として捉えることができる。また、農場の財政状況、適切な技術装置、アニマルウェルフェア、人間の幸福についてもすべて全体的に考慮する必要がある。現状について議論するための指標として、探索的調査で収集したデータを活用した。

最も重大な制約因子は、金銭的な問題、農家の個人的な取り組みの姿勢、飼養環境における機器操作の問題に関わるものであった。新しい技術の採用を促進するために農家が必要としているのは、信頼できる組織による技術面などに関する支援、その技術の実用性を実証するデータであった。この探索的研究から得られた知見が示しているのは、利用可能な資源の重要性であり、最も不足しているのは問題への対処に必要な経済的・個人的な能力であった。

 

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