プラントベース食とうつ病 疫学と生物学的メカニズム、予防との関連

論文概要

 

うつ病は心の健康に関して世界的に最も重要な問題の一つであり、食習慣はその危険因子の一つであるが、介入によって改善できることから注目されてきた。本稿のナラティブレビューでは、プラントベースの食事パターンとうつ病の関連に関する現在の知見を概観する。特に、食生活の質がもたらす作用に関わる可能性があるメカニズムを中心に取り上げる。

プラントベース食は全般的な遵守度、健康的なプラントベース食に対する遵守度、不健康なプラントベース食に対する遵守度によって分類される。本稿ではこれらに加え、地中海食やDASH食、MIND食などのプラントベース志向の食事パターンが抑うつ症状や医学的に診断されたうつ病とどのように関連しているかを検討した。

健康的なプラントベース食は加工度の低い植物性食品を重視するもので、一般に遵守度が高くなるほど、抑うつ症状の軽減や、メンタルヘルスの向上、生活の質の改善と相関することが様々な集団で報告されている。逆に、高度に加工された高カロリーの植物性食品を多く摂取する食生活は、うつ病に罹患する危険度が上昇するとされている。

そのメカニズムとしては、全身性の炎症が軽減することや、腸内細菌叢および脳腸相関に対して望ましい調節作用があることが提唱されているほか、モノアミンによる神経伝達、神経栄養因子におけるシグナル伝達、酸化ストレスへの防御などに関わる主要な栄養素や植物化学物質の摂取が改善することも想定されている。

全体として、うつ病に対してプラントベース食がもたらすこうした影響は、単に動物性食品を除くということではなく、食生活の質や栄養素の充足度とより密接に関連していると思われる。

 

原文タイトル:Plant-based diets and depression: epidemiological evidence, biological mechanisms, and implications for prevention

論文著者:Han-Ni Li, Yao Gao, Ze-Kun Li, Jiao-Jiao Qiao, Yi-Xuan Peng, Sha Liu, Xin Yan

公開日: 2026/02/26 

論文URL:https://doi.org/10.3389/fnut.2026.1763010

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